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2018 年度 実施状況報告書

プログラミングにおけるコードリーディング学習環境の構築とその効果の実践的調査

研究課題

研究課題/領域番号 16K01084
研究機関常葉大学

研究代表者

山下 浩一  常葉大学, 経営学部, 准教授 (30340110)

研究分担者 小西 達裕  静岡大学, 情報学部, 教授 (30234800)
小暮 悟  静岡大学, 情報学部, 准教授 (40359758)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード学習支援システム / コードリーディング学習 / プログラミング教育
研究実績の概要

[30-1] 本研究のコードリーディング支援システム(LEPA)が視覚化する三つの領域のうち,プログラムの処理対象となる論理的データ構造の領域(対象世界)に引き続き着目した。学習者が対象世界の観察を通じて得ている情報を明らかにすべく,LEPAによる視覚化を手がかりにコーディング課題に取り組ませるという形態で実践授業を実施した。この実践から得られた知見を元に,学習者自身が作成したプログラムを教師の意図に基づいて視覚化するシステムを構築した(雑誌論文1: ICCE2018)。
[30-2] 平成29年度および[30-1]の研究成果から得られた対象世界の視覚化方法を応用し,ポインタを学習するための学習支援システムを構築して,システムの学習効果を評価した(雑誌論文2: ICCE2018)。ただし,学習効果の評価対象は本研究で当初から想定されていた文科系学生ではなく,理科系学生とした。文科系学生のプログラミングの授業では,ポインタの学習が授業範囲外となっていたためである。
研究期間中のこれまでの研究から,ある一定の学習者は,対象世界の挙動の観察からコードリーディングに関する十分な知見を得られていないことが分かっている。本研究では平成29年度から,対象世界の視覚化を拡張してこの問題への対処を試みてきた。このため,コードリーディング環境全体を扱う統合システムの構築には遅れが生じている。そこで本研究では研究期間を延長し,システム構築と評価の完遂を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度の研究成果([30-1],[30-2])は双方とも,コンピュータを利用した教育に関する歴史ある国際会議であるInternational Conference on Computers in Education 2018(ICCE2018)に採択されており,国際的に高い評価が得られたと考えられる。
しかし,当初の計画であるコードリーディング学習の関する研究の遂行に寄与する範囲は限定的である。学習者はLEPAによる対象世界の視覚化から得られた情報を元にコードリーディング学習を進めるが,その学習によって理解した内容を外化させたものを評価分析すると,視覚化から十分な理解が得られていないことが伺える。そのため今年度は,対象世界の描画を改善して円滑なコードリーディング学習ができることを目指して研究を進めた。しかし,これまでの成果を統合したシステム全体の構築までには到達できていない。よって,高い評価の得られた成果がある一方で研究の当初計画の全体的な観点からは遅れが生じていることから,本研究課題の進捗状況はやや遅れていると自己評価する。

今後の研究の推進方策

平成30年度までの研究成果をLEPAに盛り込み,実授業に投入可能なコードリーディング支援システムの構築を目指す。これまでの研究からは,学習者の理解の躓きが想定以上に初歩的な学習内容であることが分かってきている。これには,本学のカリキュラムが変更されて情報系の基礎科目が大幅に削減されたことも影響していると考えている。授業投入にあたっては実践授業の内容をより精細化するとともに,システムの完成度を高めて学習者への支援を改善することが必要と考えられる。今年度も継続してシステムの改善を進め,コードリーディング学習から外化された情報の統計的分析方法の検討や,より規模の小さい授業への導入を検討する。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画では,平成30年度に研究成果として構築するコードリーディング学習支援システムの公開と,システムをWEBシステムとして授業投入することを目的に,WEBサーバを購入する物品費を計上していた。しかし,コードリーディング環境全体を扱う統合システムの構築に遅れが生じているため,サーバ導入計画を一年間後ろ倒しにすることとした。こうした背景から支出額に残額が生じ,次年度使用額が発生することとなった。
平成31年度は後ろ倒したWEBサーバ導入計画の執行を予定している。サーバ導入にあたっては,消費する消耗品の量が増加することが予想される。研究データのバックアップ計画も検討し,次年度使用額は研究データのバックアップメディアや研究成果の印刷用消耗品の購入にもあてる。また,学会での成果発表を行うための旅費支出にも使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] A Learning Support System for Visualizing Behaviors of Students' Programs Based on Teachers' Intents of Instruction2018

    • 著者名/発表者名
      Koichi Yamashita, Daiki Tezuka, Satoru Kogure, Yasuhiro Noguchi, Tatsuhiro Konishi, Yukihiro Itoh
    • 雑誌名

      Proceedings of the 26th International Conference on Computers in Education

      巻: - ページ: 761-766

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Learning Support System for Understanding Pointers in C Language Based on Program Behavior Visualization2018

    • 著者名/発表者名
      Satoru Kogure, Yun Ye, Koichi Yamashita, Yasuhiro Noguchi, Tatsuhiro Konishi, Yukihiro Itoh
    • 雑誌名

      Proceedings of the 26th International Conference on Computers in Education

      巻: - ページ: 355-357

    • 査読あり

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公開日: 2019-12-27  

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