研究課題
本研究では,[T1] 教材と学習者の理解状態を可視化する教材理解モデル構築手法,[T2] 教材の改善ポイントをフィードバックする教材改善ポイント導出機構,[T3] 学習者の理解状態に適応した教材の改善ができる教材改善支援手法の研究開発を推進した。本年度は,この研究開発の最終年度に当たるもので,昨年度までのT1:教材理解モデル構築手法および,T2:教材改善支援機構の研究成果を基に,学習者の理解状態に適応した教材改善支援に関する研究開発を行った。本年度の研究実績は以下のとおりである。(1)Computational Thinkingの側面から,昨年度に構築したプログラミング教育における支援候補学習者に適応した教材改善支援機構の評価を行った。その結果,プログラミング概念と技能への効果および複雑性への対応が確認できた。(2)昨年度に提案した記述しやすいアルゴリズム表現を基に,プログラミングの初学者が理解しやすく,表現しやすいアルゴリズム表現を明らかにした。そして,研究協力者の教育環境においてプログラミング教育を試行し,教授学習支援システムの機能評価に本知見を適用した。(3)昨年度までに提案したスモールステップ学習に基づいて試作したコーディングカードを用い,本手法の適用領域を小学校のプログラミング教育に拡大して,協働型学習スタイル,スモールステップ学習、モチベーションの継続といった学習効果を解析した。(4)本研究成果は,高大連携授業などを介してe-Learning が導入されている教育現場に還元した。機能評価の結果と従来e-Learning の知見との比較などから,e-Learning における支援効果を評価し,その成果を国内での学会発表や学会誌投稿,および海外で開催されるe-Learning 関連の国際会議において発表した。
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Proc. of the 49th IEEE Frontiers in Education (FIE) Conference
巻: Vol. 1 ページ: pp. 191-198
10.1109/FIE43999.2019.9028486