保育場面において虐待や貧困など福祉や医療保健の問題を抱えた子供や養育者を支援する保育者を養成する教育プログラムとは何か。本研究課題はエンゲストロームの探求的学習理論(2009/2010)を保育者養成教育に適用した。この理論に基づき,過去の教育プログラムを改定し,15回のプログラムをデザインし,新たに二つの教授形式,すなわち反転学習と模擬養育者(SPs:Simulated Parents)の導入の効果を検証した。効果測定は,知識テスト,相談や虐待対応に関する質問紙,個別支援計画案の作成課題の3つの観点から行われ,概ね良好な効果が確認された。保育者養成教育への一般化が考察された。
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