研究課題/領域番号 |
16K01093
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研究機関 | 仁愛女子短期大学 |
研究代表者 |
田中 洋一 仁愛女子短期大学, 生活科学学科, 教授 (20340036)
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研究分担者 |
森本 康彦 東京学芸大学, 情報処理センター, 教授 (10387532)
宮崎 誠 畿央大学, 教育学部, 特任助教 (60613065)
山川 修 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (90230325)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | eポートフォリオ / 学習の習慣化 |
研究実績の概要 |
「基礎学力」や「学習意欲」の低い学生に対して、リアリティのある授業や学習環境を設計するとともに、効果的なリフレクションを支援する、eポートフォリオ学習の習慣化に関する実践研究を行った。本研究におけるeポートフォリオ学習とは、課題解決型学習やプロジェクト型学習で授業を設計した上、eポートフォリオにエビデンス(根拠)を蓄積し、ルーブリック(評価のものさし)を用いて、学習成果のパフォーマンスを評価することをさす。2017年度は、下記3つの研究方針のもと、実績を得た。 (1)eポートフォリオ学習を継続する仕組みの設計。各授業でのリフレクションの設計と共に、セメスターごとに学生がエビデンスにもとづき学習成果を自己評価するラーニングポートフォリオを設計・運営し、学生の実状を調査した。その結果、eポートフォリオ・リテラシースキルを用いてラーニングポートフォリオを設計することの重要性を明らかにした。たとえば、自己調整行動を記録させることや知識の統合を記録することをプロンプト等で明示することが効果的である。 (2)学生がeポートフォリオに学習成果物(アーティファクト)を蓄積・選択・公開する場合におけるリフレクションの設計。東京学芸大学の博士前期課程学生と共に、学習成果物をeポートフォリオへ提出した際のリフレクションプロセスをツールや事例にもとづき調査した。特に、次の3つの相互評価機能を分析した。①既存Maharaのコメント機能、②Maharaリフレフォリオ、③ディスカッションボード・eポートフォリオ。 (3)学生がeポートフォリオに学習成果物(アーティファクト)を蓄積しようと思わせる省察プロンプトの設計。オープンソースのLMS「Moodle」やeポートフォリオ「Mahara」へWebAPI経由で呼び出すことのできる、AIチャットボットを利用した省察プロンプトクライアントを設計した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度の研究計画に挙げていた、プロンプト・省察・強化子システムのプログラム開発が遅れている。現在、要件定義及び設計が終わった段階であり、平成30年度前期にはプロトタイプの形成的評価を終わらせる予定である。また、プログラム開発が遅れたため、平成29年度における国外の国際会議での発表は見送った。
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今後の研究の推進方策 |
プロンプト・省察・強化子システムのプログラム開発を中心として研究を推進する。 (1)プロトタイプの形成的評価を行い、プログラムを開発する。 (2)上記(1)のシステムを実践運用し、評価を行う。 (3)国内の学会(日本教育工学会、教育システム情報学会、情報処理学会)、国外の国際会議(SITE等)において、研究成果を発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
プログラム開発に関して、要件定義及び設計に時間がかかり、実際のプロトタイプ及び完成プログラムへの人件費・謝金が生じなかったため。平成30年度にプログラム開発を実施するため、すべて使用する計画である。
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