研究課題
本研究では、まず、事前教育として、知識教育・スキル教育・マインド教育を実践し、その有効性を検証した。ここでは、高専5年生を対象に、研究代表者並びに研究分担者が課題学習や研究室教育を事前教育の場とした。次に、事前教育を受けた学生に対し、社会生活に密着した人間中心的な課題について、PBLによる人間中心デザイン教育を実施した。ここでは、実際の社会生活に関わる具体的な課題テーマの例として1)地域理科振興のための地域小中学生への科学技術出前授業の企画運営、2)サイバー社会における個人認証、3)肢体不自由者向け支援技術開発について、PBLを協力学生らに試行してもらった。PBLは、単に学内で行うに留まらず、学外協力者(ユーザ)から顕在化されていない課題の聴取、学外におけるコンテスト参加やポスター発表等も計画に組込み、社会とつながりを持ったPBLとした。PBLによる人間中心デザイン教育を通じた協力学生の社会人基礎力の伸長を評価するため、1)第三者機関による社会人基礎力評価(PROG)、2)質問紙調査によるGRIT(やり抜く力)の評価、3)質問紙調査による社会人力の自己評価、の3種類の評価を行った。その有効性を検証したところ、次のようなことが明らかになった。1)半年程度の短期間であっても人間中心デザイン教育の前後で学生のコンピテンシーが向上する。2)質問紙調査によるGRIT(やり抜く力)と第三者機関によるコンピテンシー評価の「対自己基礎力」の間に相関がみられる。3)質問紙調査による社会人力と第三者機関によるコンピテンシー評価の「対自己基礎力」および「対人基礎力」の間に相関がみられる。4)質問紙調査により学生の社会で役立ちたいというマインドも向上している。人間中心デザイン教育によるコンピテンシー評価に、第三者機関の社会人基礎力評価と共に質問紙調査も組み合わせできることが示唆された。
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工学教育
巻: 67-3 ページ: 66-71
巻: 66-3 ページ: .77-81
巻: 66-2 ページ: 85-90
平成30年度工学・工業教育研究講演論文集
巻: - ページ: 192-193
巻: - ページ: 188-189