2020年度初頭から始まったコロナ感染状況下において直接の調査が不可能になった。そこでインターネットを利用して、教員養成大学生の最終年度の学生を3名に絞り、質的調査を行うことになった。4年時の教育実習がコロナのために中止になり、実際の授業ではICTを使った教育実習ができず、 またユネスコの教師のためのメディア情報リテラシーのカリキュラムを用いた授業もできなかった。またすべての大学の授業のオンライン化とともに、教員のICT活用指導力の変化及び、大学生活においてICT活用指導力の変化に最も影響を及ぼした事象を詳細に記載させ、それに質的な分析を行った。 その結果、このコロナ状況での授業のオンライン化、及びBYO(Bring your own device)としての機器の購入が教員のICT活用指導力に大きな影響を与えたことが明らかになった。 教員のICT活用指導力に大きな影響を与えると想定されたユネスコの教師のためのメディア情報リテラシーのカリキュラム(2011)も、現在児童生徒のネット利用の主流となっているソーシャルメディアを扱っていないこと、デジタルシチズンシップのカリキュラムがないこと、偽情報といわれるフェイクニュース、ヘイトスピーチへの教育についても不足しているとユネスコの会議で指摘されており、第二版が企画されている。そこでこの第二版によって教員のICT活用指導力がどの様に変化するかについて調べる必要があることが指摘される。
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