研究課題/領域番号 |
16K01106
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
佐藤 眞久 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (30143952)
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研究分担者 |
加藤 竜哉 桜の聖母短期大学, キャリア教養学科, 教授 (70624542)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 共通学修特性 / ベクトル / ビッグデータ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、教科・科目を横断した共通学習特性を、8大学で実施している英語・日本語・数学・情報・学習観のプレイスメントテストおよび到達度テストの各問の解答結果のビッグデータを元に見いだしていくものである。前年度に、これらを利用する環境を整えたので、今年度は、これらのデータの抽出を行い加工するプログラムを作成し、ビッグデータの抽出と加工を行える環境を整備した。その上で、研究の数学的手法である特性ベクトルを幾つかのデータから算出し、従来の学習観から得られたフローチャートと比較し、フローチャートの図形から読み取る特性に加えて、フローチャートでのデータの記載順を変えた場合の図形から読み取れるデータも特性ベクトルで一元化できることを確認し、この手法の有効性が検証できた。検証に付随して、初年度の分析に比して次元が高くなった特性ベクトルにおいても、問題なく処理ができることも確認し、次年度以降に本格的に共通特性抽出のための処理ができる見通しがたった。 統計的手法やこの一つであるフローチャートでは、並べ方等の視覚的要素に影響され、見過ごされる特性があり、これらが視覚的な要素でなく、客観的な数学的表現を持つベクトルを用いることで、統計的手法では隠されてしまった特性が見いだせることが分かった点は一つの成果である。 データを扱う中で、項目間の関連性が見えてきたものがあり、プレイスメントテストや到達度テストの実施にあたって、実施時間の制約を乗り越えるために、少ない問題で多くの問題を課して理解度や学修特性を測るのと同一の効果をもたらすことを可能にする出題の可能性があることを示唆する結果が得られた。副次的な結果として、この研究の応用として、因子分析に相当する手法を提供できる可能性を見いだし、限られた時間で学生の理解度や学修特性を見いだす問題構成の手法の提供を行うという、研究の新たな展開も見えてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ビッグデータ処理のソフトの整備により、データから学修特性を見いだすための基本的環境が整った。学習観の分析と幾つかの学修特性を比較することで、有効性も検証できたので、本格的に共通特性を決定することに次年度取り組むことで、研究を予定通りに進められると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
30年度は日本語関係に携わっていた連携研究者を分担者に加えた。数学と日本語での共通学習特性の分析を強力に推し進め、学習観の研究と合わせて、英語・数学・日本語での共通学修特性を、蓄積されたビッグデータを用いて行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
最後に予定していた出張が、インフルエンザのため中止になったため。
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