本研究では,教材作成ソフトウエアであるGeoGebraを用いた数学教材の開発を主なテーマとしている.ウェブサイト「GeoGebraで日本語教材を作ろう (http://www.aharalab.sakura.ne.jp/geogebra/index.php)」における教材の充実をはかり,中学の数学教材も範囲を広めたページを作成し,継続的に新しい教材の開発を行った.近い将来に実用が期待される電子教科書,電子参考書のあるべき姿を少しでも明らかにすることを目標としている。 また,2018年8月には京都大学数理解析研究所における研究集会「数学ソフトウエアとその効果的教育利用に関する研究」において「作図手順の概念を持たない作図ソフトウエアの提案」という題で発表をした.この内容にさらに議論を加えた内容を2018年11月に統計数理研究所における研究集会「動的幾何学ソフトウェアGeoGebraの整備と普及」において,同じ表題による発表を行った.これらの発表では,作図手順によらずに作図ができるソフトウエアPointLinewを紹介し、GeoGebraなどの典型的な作図ソフトと教育効果を比較した発表を行った。また、原知己氏と共同発表で、"On materials which allows students to find out mathematical propositions using snapping on GeoGebra"というタイトルでポルトガル、コインブラ大学におけるCADGME2018 において研究発表を行った。この発表ではGeoGebraにおけるスナップ機能の教育的有効性について議論した。 京都大学数理解析研究所講究録2067巻(2018)40-47に原知己氏との共著論文「GeoGebraによるスナップを用いた「発見」を促す教材」を発表した。
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