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2016 年度 実施状況報告書

ICTを活用した数学、理科、工学を統合した学習環境の開発とその効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 16K01137
研究機関金沢工業大学

研究代表者

中村 晃  金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (60387355)

研究分担者 西岡 圭太  金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (10748734)
工藤 知草  金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (90759515)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードSTEM / 数学 / 物理 / 工学 / ウェブ教材 / 知識構造 / 材料力学 / e-ラーニング
研究実績の概要

1.システム開発環境の構築:ウェブサーバー、データーベースサーバーを1台のサーバーに組み込んだ開発サーバーを立ち上げ、古いサーバーからデータを移管した。
2.以下に記すようにウェブコンテンツの開発を進めた。(1)数学(KIT数学ナビゲーション):重積分や曲率などのコンテンツを拡充した。(2)物理(KIT物理ナビゲーション):高校生でも理解できるように工夫した教材として、高等学校の「物理基礎」と「物理」の力学の教材をほぼ作成した。大学1、2年生を対象とした微分、積分、微分方程式、ベクトルを用いた力学の分野の教材も一部だけ作成した。さらに、高等学校の電磁気学の教材も一部だけ作成した。同じ力学でも高校と大学とで分けて開発を行っているのは、高大接続をスムーズにするためである。物理のコンテンツを作成する際にはKIT数学ナビゲーションのページを参照し、物理と数学の繋がりが理解しやすいように工夫している。Jsxgraphを用いた物理現象の理解を促すためのアニメーションやシミュレーションの開発も行っている。特に単振動のアニメーションは本学の授業でも利用している。物理のコンテンツ開発の成果を国内会議で3回発表。(3)材料力学(KIT工学ナビゲーション):応力、歪みの内容は最小限に留めたが、たわみ曲線の微分方程式の導出に必要な曲げモーメントを含め梁のたわみに関する基本的なコンテンツを作成した。コンテンツを作成する際には物理や数学のページを参照するためのリンクを張り、工学、物理、数学を統合した知識構造の構築を進めた。実際に作成してみると工学の知識は数学、物理の幅広い知識の集積であることがリンク構造を見るとよく分かる。本研究の取り組みを国際会議で発表した。ウェブコンテンツの拡充の効果があったと思われるが、ウェブサイト全体のアクセスが2017年4月は2016年4月に比べ3割以上増加した。
3.知識構造の可視化は取組中

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

工学、物理、数学を統合した知識構造のグラフ図を作成するプログラムの開発が遅れている。理由としては、新規サーバーにデータを移管した際、サーバーの環境が変わったため従来のシステムを正常に動作させるのに時間がとられてしまったことと、材料力学のコンテンツの開発が遅れたことにより可視化するための知識構造のデータが作成できなかったことによる。

今後の研究の推進方策

1.ウェブ教材の作成:(1)物理:高等学校の電磁気学、波動、熱力学の分野の教材を作成する予定である。また、大学1、2年生を対象とした微分、積分、微分方程式、ベクトルを用いた力学の分野の教材も引き続き作成する。(2)材料力学:梁のたわみの微分方程式に必要な最低限の骨組みのコンテンツは作成したので、肉付けのための応力や歪みの基礎的なコンテンツの作成を進める。(3)数学:材料力学の知識構造に必要な数学のコンテンツの拡充を図る。重積分、偏微分、微分方程式などのコンテンツを作成する。
2.知識構造の可視化:材料力学のコンテンツから知識構造の構築に必要な数学、物理のコンテンツへのリンクが適切に張られているか再度確認した後、学習者が理解しやすい知識構造の表示方法を検討し、ウェブ上で表示するためのプログラムを開発する。(1)知識構造全体を表示するグラフ図からある知識を選択すると、知識構造のネットワークデータからその知識と繋がっている知識を抽出するプログラムを作成する。(2)その知識を基点とした分かりやすいグラフ図を表示するプログラムの開発をする。(3)試行錯誤し、さらなる展開を検討する。
3.本研究で作成した物理コンテンツを積極的に授業で活用し、学習効果などの調査を行う。
4.アクセスログ解析をするとスマートフォンからのアクセスが60%にもなっている。ウェブサイトはPCの大きな画面で見た場合に最適化しており、ユーザーの利便性を考えるとウェブサイトをスマートフォンにも対応する必要がある。順次、既存のページをスマートフォン対応に改変していく。

次年度使用額が生じた理由

主な理由は、旅費を40万計上していたが、実際には22万7100円しか使わなかったことによる。

次年度使用額の使用計画

ウェブサイトのアクセス解析をするとスマートフォンからのアクセスが60%程度になっている。ウェブサイトをスマートフォン対応に改変するために必要な備品の購入に充てる。

備考

第18回図書館総合展(2016年11月8日~10日、会場:パシフィコ横浜)のポスターセッションに出展。題目:ICTを活用した数学、理科、工学を統合した学習環境の開発 ─数学知識構造の可視化の発展型─

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (4件)

  • [学会発表] シミュレーションを活用した物理学習支援ウェブサイト2017

    • 著者名/発表者名
      西岡圭太, 工藤知草, 中村晃
    • 学会等名
      日本物理学会 第72回年次大会
    • 発表場所
      大阪大学豊中キャンパス(大阪府豊中市)
    • 年月日
      2017-03-17 – 2017-03-20
  • [学会発表] 動くウェブサイト「KIT物理ナビゲーション」の開発(力学編)2016

    • 著者名/発表者名
      工藤知草, 西岡圭太, 中村晃
    • 学会等名
      日本物理学会 2016年秋季大会
    • 発表場所
      金沢大学角間キャンパス(石川県金沢市)
    • 年月日
      2016-09-13 – 2016-09-16
  • [学会発表] The Concept of Self-Adaptive Integrated Web Based Learning Environment for STEM2016

    • 著者名/発表者名
      Akira Nakamura, Tomoshige Kudo and Keita Nishioka
    • 学会等名
      The Fifth International Conference on E-Learning and E-Technologies in Education (ICEEE2016), Malaysia 2016
    • 発表場所
      Asia Pacific University of Technology & Innovation (Kuala Lumpur, Malaysia)
    • 年月日
      2016-09-06 – 2016-09-08
    • 国際学会
  • [学会発表] 高校・大学初年次向け物理e-ラーニング教材の開発-KIT物理ナビゲーション-2016

    • 著者名/発表者名
      西岡 圭太、工藤 知草、 中村 晃
    • 学会等名
      日本工学教育協会 第64回年次大会
    • 発表場所
      大阪大学吹田キャンパス(大阪府吹田市)
    • 年月日
      2016-09-05 – 2016-09-07
  • [備考] KIT数学ナビゲーション

    • URL

      http://w3e.kanazawa-it.ac.jp/math/

  • [備考] KIT物理ナビゲーション

    • URL

      http://w3e.kanazawa-it.ac.jp/math/physics/

  • [備考] KIT工学ナビゲーション

    • URL

      http://w3e.kanazawa-it.ac.jp/math/engineering/

  • [備考] 数理工統合教育サイト(STEMナビゲーション)

    • URL

      http://w3e.kanazawa-it.ac.jp/math/stem/

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公開日: 2018-01-16  

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