研究課題/領域番号 |
16K01153
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研究機関 | 富山高等専門学校 |
研究代表者 |
新開 純子 富山高等専門学校, 電子情報工学科, 嘱託教授 (60179067)
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研究分担者 |
早勢 欣和 富山高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (60238144)
宮地 功 富山高等専門学校, その他部局等, 特命フェロー(教育・研究支援) (30043722) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | プログラミング教育 / 導入教育 / アルゴリズム構築 / 論理的思考 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,プログラムとして記述可能なアルゴリズムを組み立てる能力を育成するプログラミング導入教育の提案・実践・検証を行うことである. 平成28年度は,プログラミング導入教育で学習者に4つの経験((1)システムを開発する立場で考える経験,(2)問題の解決方法は1つではないことを知る経験,(3)曖昧さのない日本語の手順書を書く経験,(4)プログラム言語で表現・実行・確認する経験)をさせることを提案した.その教材として,経験(1)は自動販売機システム,経験(2)はパズル,経験(3)と(4)は2桁の整数の和を手計算のように求める手順書作成およびCプログラム作成を実践した.実践後のアンケート調査の結果,経験(3)の課題は学生にとって難しいことが分かった. そこで,平成29年度は経験(3)の課題の難しさを解消するために,経験(3)の課題を1÷1桁の整数を手計算で求める手順書作成の後,昨年度実施した2桁の整数の和を手計算で求める課題を行わせた.実践後のアンケート調査の結果,2桁の整数の和を手計算で求める課題を難しくないと感じさせることができた. 平成30年度は,経験(3)の手順書作成段階でアルゴリズム作成の基本制御構造(順次,選択,反復)を意識させる課題を検討し,授業実践を試みた.実践後のアンケート調査の結果,基本制御構造の組み合わせで手順を組み立てることができることを経験することができたと学習者が肯定的に思っていることが分かった. 今後は,1年生の導入教育,2年生のプログラミング教育,3年生のアルゴリズムとデータ構造の学習内容の関連性を精査し,関連付を強化した導入教育とプログラミング教育の設計・実践を行い,その教育効果を検証する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究期間の1年目が副校長,2年目が校長特別補佐という役職になり,学校運営のための校務が多忙になった.そのため,本研究の1年目から研究の進捗が遅れた.科学研究費助成事業の補助事業期間は,平成28年度から30年度までであったが,研究期間を1年延長する申請を行い,承認を得ることができた.延長することにより,アルゴリズム設計能力を育成するためのブレンド型導入教育の授業実践・評価を行い,研究を遂行する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画では,eラーニングシステムのMoodleとeポートフォリオシステムのMaharaを連携した協調学習環境の構築を行う予定であったが,Moodleの小テスト機能を活用したeラーニングをブレンドしたブレンド型導入教育に重点を置くこととする. さらに,1年次の導入教育,2年次のプログラミング教育,3年次のアルゴリズムとデータ構造の学習内容を精査して,1年次の導入教育にプログラミング教育の学習内容を組み入れ,2年次のプログラミング教育に3年次のアルゴリズムとデータ構造の学習内容を組み入れるくさび形教育を設計・実践・評価を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 研究の進捗が遅れ,研究成果発表が2回のみとなり,旅費の使用額が予定より下回った. (使用計画) 次年度は,プログラミング導入教育の教育効果等の成果発表のための旅費に使用する.
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