研究課題
基礎物理についてのインタラクティブな電子書籍を開発し、LMS (Blackboard)を活用した配信とオンラインテストを実施し、ICTを用いた効果的な物理教育について研究を行った。今年度は最終年度として、主に以下の研究を推進した。①ギャラリー機能による計算の図解を多用した電子書籍「微分積分を用いた力学 (学習到達度試験 第9領域 過去問演習)」を活用し、”視覚的な分かり易さ”に配慮した学習を継続した。②引き続き、Blackboard「物理(3年)」のホームページ(https://bb.kosen-ac.jp)を活用し、“概念理解の確認”のための正誤問題と“解析力のチェック”のための計算問題の2種類のオンラインテストを実施した。③さらに、微分積分の概念と物理量の不可分な関係を理解するために、微分積分を用いる解法と等加速度運動の3公式を用いた解法とを併用する問題の学習とテストも新規に実施した。高専の学習到達度試験が終了した為、昨年度の過去問を用いて、学習の効果測定を行ったところ、第9領域(微分積分を用いた力学)の得点平均が21.4点となり、昨年度(29年度)より3.3点の得点上昇が確認できた。本研究で開発した、微分積分と力学の電子書籍は、Blackboardのホームページと当校の教員紹介の個人ホームページ(http://www.hiroshima-cmt.ac.jp/faculty/ippan/007.html)より配信中である。本研究期間全体を通して、アンケートでは、6割以上の学生達が電子書籍は役立ったと回答し、オンラインテストについても約6割の学生達が役立ったと回答した。学習到達度試験の結果についても、全体的に成績が向上した。インタラクティブな電子書籍での学習と、LMSによるオンラインテスト、併用問題での理解の深化等が功を奏したものと思われる。
全国高専フォーラム参加報告, 藤原滋泰, 広島商船高等専門学校 研究交流センター, Vol.10, p.32-33(2019年3月発行)
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工学教育
巻: 67 ページ: 8-14
https://doi.org/10.4307/jsee.67.2_8
http://www.hiroshima-cmt.ac.jp/faculty/ippan/007.html