13世紀、高次方程式の解法や天元術といった平面・立体幾何モデルでは解けない4次以上の方程式が出現し「古代」算木数学の完成形と思われていた。一方、15世紀-17世紀の南中国数学は「近世」珠算数学(商業数学)の勃興とされた。 『楊輝算法』(楊輝、1275年;1433年復刻は、「近世」珠算数学時代で「古代」数学書と思われていた。本研究の調査により韓国・延世大学校、高麗大学校に木版本が発見され、さらに延世大学校の写本(古書(1)510)では関孝和(1645?-1708)とは異なる修正をしていた。朝鮮でも『楊輝算法』は内容まで研究されており、生きた数学書として「近世」へと続くものと考えられる。
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