研究課題/領域番号 |
16K01166
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
松村 紀明 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 講師 (00422379)
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研究分担者 |
町 泉寿郎 二松學舍大學, 文学部, 教授 (40301733)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 医史学 / 医学史 / 地域医療 / 在村医 / 岡山藩医学館 / 岡山大学医学部 / 種痘 |
研究実績の概要 |
当該年度は先ず夏期に、中島家に所蔵されている幕末以降の刊本・写本・医療記録・手紙などの史料についての集中的な現地調査を行った。すなわち、研究メンバー(研究代表者・研究分担者・連携研究者・研究協力者)のぞれぞれの研究テーマ・専門・関心に関連するものがどの程度残されているのかの確認作業を行った。この調査に基づいて研究メンバー各員の研究の方向性について、研究会や電子メールを用いた検討を行った結果、各員の研究テーマの遂行と平行して、明治3年に設立された岡山藩医学館について重点的に調査する必要性が浮上した。 岡山藩医学館は、現・岡山大学医学部の源流でもあり、長く岡山県の医療教育の担い手の中心的存在であったと考えられてきた。在村医である中島家についても、子弟の医学館への入学時の記録や附属機関による医療活動(種痘活動)に関する記録など医学館に関連する文書がいくつも残されていることが、今回の調査によって判明した。このことにより、地域医療の担い手としての医学館の役割についても、在村医である中島家所蔵の資料と相互に突き合わせ検討する必要性がでて来た。 これにより、特に当該年度の後半については、岡山大学医学部・附属図書館とも連携し、岡山大学附属図書館ならびに同医学部資料室にある岡山藩医学館関連史料についての調査を開始した。 岡山藩医学館についての調査研究の途中経過については、既に3月のシンポジウムで発表しており、また、次年度(平成29年度)中に書籍あるいは調査目録・紀要論文の形でも公開する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述の通り、中島家(中島医家資料館)ならびに岡山大学などの現地調査は、各研究機関責任担当者との連携・意思疎通も充分に取れており、頻繁に現地調査にはいることができているので、調査そのものについては予想以上に順調に進んでいると判断する。しかしながら、当初は予定していなかった岡山藩医学館の調査(岡山大学附属図書館ならびに医学部資料室の調査)を継続的に行う必要性もでてきたことを勘案すると、「おおむね順調」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
中島家(中島医家資料館)の調査は順調に進んでいるので、こちらは従来通り現地調査を半年に1度で行っていく予定である。ただし、前述の通り、岡山藩医学館の調査(岡山大学附属図書館ならびに医学部資料室の調査)を継続的に行う必要性もでてきており、この点については当初の研究メンバー(松村・町・中島・酒井・梶谷・木下・清水・平崎)では手に余る可能性がある。この点については、岡山大学医学部・附属図書館の関係者と協議しながら、新たな研究メンバーの追加あるいは岡山藩医学館については別の研究プロジェクトを立ち上げるなどの対応策を現在模索中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
一部研究者の出張について、体調不良によるキャンセルが2回ほど発生した。また、当初予定していなかった調査(岡山藩医学館・岡山大学関連の調査)が入ったためそちらの調査を優先し、人件費・謝金をともなう調査業務が次年度に繰り延べとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り延べとなった人件費・謝金をともなう調査業務ならびに、キャンセルとなった出張によって、次年度使用額を使用する見込みである。
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