研究課題/領域番号 |
16K01168
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
佐野 正博 明治大学, 経営学部, 専任教授 (70206001)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 原子力の社会的利用 / 原子力技術史 / 原子力論 / 原子力発電 / 技術論 |
研究実績の概要 |
原子力の社会的利用に関わる諸議論の歴史的展開を、原子力をめぐる科学・技術の歴史的進歩、エネルギー問題・地球環境問題および1970年代石油危機、1979年スリーマイル島原発事故、1986年チェルノブリ原発事故、20世紀末の地球温暖化問題、2011年福島第一原発事故、東芝の原子力事業からの撤退などの社会的事象との関係において批判的に分析することを目的に、関連資料・文献のサーベイ調査および収集を引き続きおこなうとともに、収集した資料をスキャニングしOCR処理による全文検索可能なデジタル資料化作業をおこなった。 またそうしたサーベイ調査結果および収集した資料の内容分析に基づき、原子力の社会的利用をめぐる推進論と批判論の歴史的展開構造の分析を引き続きおこなった。 そうした研究の成果をもとに、2018年3月には原発史研究会編『日本における原子力発電のあゆみとフクシマ』晃洋書房の第1章(pp.1-41)として「原子力の社会的利用推進論の20世紀前半における歴史的展開」を執筆した。 また関連資料・文献のサーベイ調査および内容分析の研究成果に関しては、日本科学史学会技術史分科会発行の機関誌『技術史』の第12号に「技術史・技術論的視点から見た原子力発電関連文献ガイド-原子力利用に関する批判的検討のための資料紹介Part2-3」pp.18-51を、第13号に「技術史・技術論的視点から見た原子力発電関連文献ガイド-原子力利用に関する批判的検討のための資料紹介Part2-4」pp.24-51に投稿・掲載するとともに、http://atom.s2.coreblog.jp/やhttp://www.sanosemi.com/などのWEBページ上で公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
原子力の社会的利用をめぐる推進論と批判論に関わる関連資料・文献のサーベイ調査はおおむね順調に進展している。 またこれまでの研究成果の一部を取りまとめた論考を単行本の中の1章として執筆するとともに、関連資料・文献のサーベイ調査および内容分析の成果を日本科学史学会技術史分科会発行の機関誌『技術史』の第12号および第13号に掲載するなど、研究成果の公開も順次おこなっている。
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今後の研究の推進方策 |
1970年代石油危機、1979年スリーマイル島原発事故、1986年チェルノブリ原発事故、20世紀末の地球温暖化問題、2011年福島第一原発事故、東芝の原子力事業からの撤退などの社会的事象との連関において、原子力の社会的利用をめぐる議論がどのように展開されてきたのかを批判的に検討・分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題の今後の推進研究に役立てるため、自らが本課題研究に関連して2017年度に分担執筆した原発史研究会『日本における原子力発電のあゆみとフクシマ』晃洋書房(2018年3月刊行)という本を原子力発電に関わる研究者および関係者の方々に献本し、ご意見・ご批判を頂くことを2018年3月から6月にかけておこなう予定である。本予算の執行は最初は2017年度中を予定していたが、本の出版の遅れのために2018年度に執行が遅れたためである。
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