異なる有機材料からなる複数の塗膜について、X線CTスキャナを用いて調査し、そのヒストグラムを検証した。その結果、塗膜の材料によっては異なるヒストグラムパターンとなる範囲があることが分かった。次に、ヒストグラムの中で塗膜の質量に由来するピークについて抽出したところ、CTデータ内で特定の塗膜のみを現すことができた。 CTは塗装を有する大きな部材を短時間で計測できることから、目視による観察や1点1点の分光分析よりも短時間かつ一度の調査で判別できる可能性がある。これまでCTによる調査では材料の状態調査を主として行っていたが、本研究の成果によって、材料調査も同時に可能となったと考えている。
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