研究課題/領域番号 |
16K01206
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研究機関 | 神奈川県立生命の星・地球博物館 |
研究代表者 |
大島 光春 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (40260343)
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研究分担者 |
田口 公則 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 主任学芸員 (70300960)
加藤 ゆき 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (70342946)
石浜 佐栄子 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 主任学芸員 (60416047)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 博物館体験 / 展示手法 / 展示解説手法 / UXD / 被写体認識 |
研究実績の概要 |
博物館における展示ラベルや解説を展示標本のUIとしてとらえ、さまざまな来館者それぞれに最適なUIが何かを研究し、提供することを試みた。その過程をUXDという手法で行い、自然史博物館を展示見学のために訪れる来館者にとって、博物館体験が向上することを目的とした。 2018年度は当館の生命展示室の一部に、NECネクサソリューションズの被写体認識基盤サービスを使った新しい展示解説を導入し、10~11月の土日祝日13日間にはアンケート調査も行った。対象エリアは「哺乳類の世界」「恐竜の時代」「鳥類の世界」で、解説のデバイスにはWi-Fiに接続したタブレット端末を用いた。特設のWEBページで提供する情報の種類や量、画面の遷移について検討した。認識結果の画面で対象の標本を選ぶと次画面には静止画と属性情報が表示される。その次は、大人用の詳しい解説と、子ども用の簡単な解説、標本を注意深く観察するためのクイズ、生態の動画などと遷移する。対象エリアにある94標本に対して、認識のための画像を650枚登録した。 展示見学に求められる情報は、多様であるがラベルやパネルを掲示しただけでは、求められる内容を把握することはできない。この研究では展示解説のさまざまな可能性を試し、提供してきたので、「ここまでできるなら、○○な物が欲しい」という要求が出てきたと考えている。特にクイズ形式での質問・回答+解説や動画への要望は多かった。より詳しくという要求もあったが、それは展示解説として提供するよりは、ライブラリーでの個別レファレンス対応が適している。また、タブレットなどを使用すると、標本観察への注意がそがれる可能性があるが内容次第とも言える。重要なことは学芸員が来館者にどのような情報をどのような形で提供するのか、それを考え、共有し協力して改善し続けることである。
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