研究課題/領域番号 |
16K01213
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
小荒井 衛 茨城大学, 理学部, 教授 (50419876)
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研究分担者 |
松原 典孝 兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 講師 (80597336)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ジオパーク / 地図 / 地形表現 / 茨城県北 / 山陰海岸 |
研究実績の概要 |
茨城県北ジオパークについては、関連する研究者全員がつくばに集まって、今後の研究方針やアンケート内容に関する検討を行った。その後ジオパークの現地調査を行い、既存の「地質情報マップ」の良い点、悪い点の検討を行った。現地調査を行ったのは、水戸・千波湖ジオサイト、棚倉断層ジオサイト、竜神峡ジオサイト、五浦海岸ジオサイト、常磐炭田ジオサイト、花貫渓谷ジオサイトである。ジオパーク全体の地図については、アンケート調査で最も支持の多かった「多重光源陰影段彩」の地形表現法で地図を作成した。ジオサイト毎の地図については、段丘地形が明瞭である水戸・千波湖ジオサイト、大宮段丘ジオサイト、断層により地質の違いが明瞭である棚倉断層ジオサイトの3箇所において、地形表現方法の具体的検討を行った。地形表現方法としては、陰影段彩表現をベースに採用することにし、DEMデータとしては基盤地図情報の5mメッシュと10mメッシュを使用し、解像度の違いによる地形表現内容の違いも検討した。棚倉断層ジオサイトについては、地形表現法に地質の違いを色で表示して重ね合わせた地図を作成した。 山陰海岸ジオパークでは、兵庫県香美町村岡区の板士野において、作成したマップを用いて、一般住民を対象としたもの、学部学生を対象としたもの、大学院生を対象としたもの計3回のモニターツアーを実施、参加者から得られた意見をもとに、マップの改定作業を実施した。今後、これらの結果をもとに案内看板を集落内に設置予定である。同じく山陰海岸ジオパークの兵庫県豊岡市では、板士野での結果を踏まえ、住民と協働して地域資源調査を実施し、城崎温泉-気比(けひ)-田結(たい)を結ぶ周遊ルート策定し、ガイドマップを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ジオサイト毎の地図の印刷業務の方がまだ行われていない。山陰海岸ジオパークでのメンバー全員による現地調査が行われていない。
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今後の研究の推進方策 |
茨城県北ジオパークについては、地形表現法を検討した3つのジオサイトについて、実際に新しく検討した地図表現法を用いて「地質情報マップ」を作成して印刷する。その地図を実際のジオツアー等に持って行って、参加者から実際に地図を使ってみた感想の情報を集める。その結果から、採用した地図表現法について評価する。 山陰海岸ジオパークについては、参画研究者全員による現地調査を行い、茨城県北ジオパークと同様の調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査を実効的に行うことで、特段謝金を必要としなくなった。また、作成した新しい地図の印刷は当該年度では科研費を使っては行わなかった。 次年度にいくつか地図を試作する予定であり、そのための印刷経費が必要である。また、試作した地図の評価をアンケート調査により行う予定で、そのためのアルバイト代が必要になる予定である。また、研究参画者全員による山陰海岸ジオパークの調査は行えておらず、9月に和歌山で開催される日本地理学会に前後して行う予定である。調査に必要な機材等の購入も予定している。アンケート調査の実施や研究成果の発表のため、日本地質学会、日本地理学会、ジオパークの全国大会、同関東地方大会などにも参加予定で、参加費や旅費にも使用する予定である。また、学術成果を学会誌に投稿予定であり、投稿料や別刷代も必要である。
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