研究課題
「インド東海岸ゴダバリ・クリシュナデルタの形成と人類の活動に関する地形学的研究」本研究はインド東海岸ゴダバリ・クリシュナデルタを対象に、微地形分布と堆積物の分析によりデルタの形成史を明らかにするとともに、遺跡分布から人類の活動史を追跡し、地形条件とデルタの開発・居住に関する地形学的研究を行うことを目的とした。インド、アンドラ大学のK.Nageswara Rao教授を中心に、これまでゴダバリ・クリシュナデルタ地域でボーリング調査を行い、堆積物の分析によるデルタ形成史の解明が進められてきた。また、両デルタ海岸部におけるマングローブ林の変化、両デルタの間に位置するコレル湖の形成と人為による縮小など、地形形成と人類の関わりの研究を行い、それらは以下の国際誌に公表された。Nageswara Rao et al.(2015) Palaeo-3, 440: 213-233/ Naga Kumar et al.(2016) Wetlands, 36: 745-758/ KUBO et al. (2017) Geographical Review of Japan Ser.B, 90: 66-75/ Nageswara Rao et al.(2020) J.of Paleolimnology, DOI 10.1007/s10933-020-00124-2さらに、デルタ上に分布する遺跡の堆積物分析と年代測定を行い、デルタの形成史と居住に関わる調査を進め、国際地理学連合大会で発表の予定である。
3: やや遅れている
2019年度末に、今後の研究方針を含めた打ち合わせをアンドラ大学にて実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響で実施できなかった。また、2020年8月にトルコで開催予定の国際地理学会議で報告の予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響で、学会の開催が1年延期となった。
2019年度に、山口大学貞方昇名誉教授の助言により、流域の人間活動がデルタ形成に与えた影響を堆積物の分析から考察するモデルケースとして、広島県太田川を対象とした研究に着手した。今後もゴダバリ・クリシュナデルタや東南アジアのメコン川流域などで同様の分析を行いたい。
2019年度末に山口大学貞方昇名誉教授を招き研究打ち合わせを実施の予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響で実施できなかった。このため2020年度実施の予定である。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
Journal of Paleolimnology
巻: - ページ: -
10.1007/s10933-020-00124-2
考古学ジャーナル
巻: No.723 ページ: 3-4
http://www.f.waseda.jp/sumik/index.html