研究実績の概要 |
「インド東海岸ゴダバリ・クリシュナデルタの形成と人類の活動に関する地形学的研究」:本研究はインド東海岸ゴダバリ・クリシュナデルタを対象に、微地形分布と堆積物の分析によりデルタの形成史を明らかにするとともに、遺跡分布から人類の活動史を追跡し、地形条件とデルタの開発・居住に関する地形学的研究を行うことを目的とした。さらに、2019年度より、流域の人間活動がデルタ形成に与えた影響を堆積物の分析から考察するモデルケースとして、広島県太田川を対象とした研究をはじめたが、2020年から始まった新型コロナウイルスパンデミックの影響により、研究期間を2021年度まで延長した。 2021年度は8月16日~20日にIGC(国際地理学会議)イスタンブール大会が1年遅れでオンラインで開催され、インドにおける本研究の成果をポスターにて発表した。題目:Holocene Evolution and Cultural Imprints in the Krishna and Godavari twin Deltas, the East Coast of India(S. KUBO, K. NAGESWARA RAO, P. VIJAYA PRAKASH, N. SADAKATA) また、8月27日~29日に開催された日本第四紀学会大会(オンライン)にて、広島の太田川デルタの堆積物とその年代について発表した。題目:太田川下流平野・デルタの微地形および「最上部陸成層」と上流域における砂鉄採取(鉄穴流し)の関係(久保純子・松本誠子・鈴木瑞穂・千葉達朗・熊原康博・岩佐佳哉・貞方 昇)。本発表では、流域の人間活動がデルタ形成に与えた影響を、「人新世」に関わる堆積物という視点から示すことができた。
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