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2018 年度 実績報告書

ユーラシア大陸中北部を移動する低気圧の構造変化と降水の特徴

研究課題

研究課題/領域番号 16K01228
研究機関奈良大学

研究代表者

木村 圭司  奈良大学, 文学部, 教授 (30294276)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードユーラシア大陸中部 / 低気圧 / 東進 / 気団 / 変質 / 経年変動 / 季節差 / 降水量
研究実績の概要

最終年度には、カザフスタンを中心に降水分布の季節変化を明らかにし、西から東進してくる低気圧が天山山脈などの高標高地域にぶつかった際に上昇気流を発生させて降水をもたらすことが明らかになった。また、カザフスタンからモンゴルにかけての地域で、夏季(6月から9月)に切離低気圧が3年に一度の割合で発生することがわかった。この現象は偏西風波動の切離によって生じ、降水が同じ場所で数日続くこととなる。一方で、切離低気圧が発生した後の高緯度では、偏西風波動のトラフが、低気圧の切離前よりもスピードが増すことが明らかになった。しかし、この原因については、未解明である。
カザフスタンの夏季の降水をもたらす水蒸気は、低気圧の移動とともに、黒海やカスピ海から東進してやってくる。しかし、低気圧の南東部は南風となるため、南部の砂漠から乾燥した高温の空気が低気圧に入り込み、低気圧の構造が徐々に変化することが明らかとなった。一方で、低気圧がモンゴル東部まで東進すると、日本海からの水蒸気が流入するために、西部と比較すると降水量が多くなる。また、日本海からの水蒸気は、8月初旬前後にもっとも西まで入り込むことも明らかとなった。
今後は、夏季にとらわれず、通年の降水量について明らかにしていくとともに、カザフスタンのアルファラビ名称カザフ国立大学の地理環境学部の教員と共同研究を行い、現地の降水観測データを使用した降水量分布とメカニズム解明を進めていきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] アルファラビ名称カザフ国立大学(カザフスタン)

    • 国名
      カザフスタン
    • 外国機関名
      アルファラビ名称カザフ国立大学
  • [学会発表] 夏季のカザフスタンにおける降水現象2018

    • 著者名/発表者名
      木村 圭司
    • 学会等名
      2018年度北海道地理学会春季学術大会
  • [学会発表] Rainfall from Kazakhstan to Mongolia in summer2018

    • 著者名/発表者名
      Kimura, K.
    • 学会等名
      American Geophysical Union 2018 Fall Meeting
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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