シベリア域の冷帯気候帯の形成に関連して、ユーラシア北部の積雪の気候特性に対するチベット高原のような大規模な山岳の効果や、気温場に対する積雪が太陽放射を反射する効果について、気候モデルを用いて調べた。チベット高原の存在は秋季のシベリア東部から北東アジアの積雪域が広がる時期を早めるが、モンゴルなどチベット高原の北側の中緯度の積雪域の後退も早める効果があること分かった。積雪が太陽放射を反射する効果によって、春季の気温を大きく低下させる効果があるが、雲の変化がその効果を抑制する方向に働くので、陸域においても水循環や雲の不確定性の低減が今後の気候変化研究で重要であることが分かった。
|