研究課題/領域番号 |
16K01238
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
應 江黔 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (30242738)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 都市形態 / 太陽光発電 / 交通 / 土地収益性 |
研究実績の概要 |
H29年度は、太陽光発電の普及と都市形態の相互影響の実証分析を更に重ねた。ほとんどの市町村において住宅地面積の拡大が近年も続いているが、人口変動などの要因も考慮し分析した結果、太陽光発電の普及が住宅地面積拡大と有意な正の相関があることが示された。一方、住宅の種類(持家、分譲など)によって、太陽光発電の導入が面積の縮小に繋がる可能性が示唆された。前年度に得られた知見を拡充させる結果となった。このような実証研究結果に対応して、都市経済学の枠組みで太陽光発電の普及が都市形態に与えうる影響についての理論分析を更に進めた。特に、家計の住宅建築・購入において、総費用の予算制約が太陽光発電システムの導入と居住面積選択に与える影響などを分析した。太陽光発電の長期的な影響と短期的な影響が異なる可能性を示した。 また、都市計画による規制とともに、土地の収益性が都市土地利用形態の形成にどのように影響しているかを定量的に解析した。中京圏の土地利用の規制と実際の関係に関して、交通条件、家賃、地価などの要素を組み入れて統計分析を行った。中心都市の都心部の高家賃・高地価が開発を促し、指定容積率の高度利用を促している実態を定量的に明らかにした。大都市中心部の人口と経済活動の集中、小都市における人口と経済活動の拡散は、土地の収益性とその変化が重要な要素であることが示された。 上記の統計解析の結果を基に、都市形態・交通の最適化分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
太陽光発電普及の複雑な影響を見極めるための検証、土地収益性の土地利用との関係の検証を重ねた。当初想定していなかった要素の考慮などで時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の成果は、従来の土地利用モデルでは十分には検証されていない重要な内容を含む。これらの成果を数理モデルに組み入れ、最適化解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額3,232円が生じたのは、旅費や物品費の総額が予算額より少なかったためである。 平成30年度の予算に合せて、資料購入に使用する予定である。
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