研究課題/領域番号 |
16K01238
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
應 江黔 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (30242738)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 都市形態 / 土地利用 / 交通 / 太陽光発電 / 農業 |
研究実績の概要 |
H30年度は、前年度までの成果に基づき、さらなる関連資料収集とモデル解析を進めた。住宅以外にも、農地や山林などの太陽光発電への土地利用の転換が進んでいる実態を踏まえ、土地の農業利用の収益性、関連する政策などについて調査分析を行った。太陽光発電の収益と費用の変動にもよるが、現況では水田などの農業利用より太陽光発電利用が収益の面では有利であることが分かった。住宅との兼用が太陽光発電の土地利用の主な形態である場合とは逆に、都市周縁部の農地から太陽光発電への転用は、都市域の拡大を阻む要因になる。農業人口の減少により、この傾向が強まることが考えられる。一定の食料自給率の維持が社会の安定に必要であることから、都市・地域の最適形態を形成する上で再生可能エネルギー生産の促進と農業の維持の両方の視点からの検討が必要であり、そのための調査分析をさらに進めている。 上記の実態を踏まえ、土地利用・交通の一体化モデルを拡張した。新しいモデルでは、住宅用地(太陽光発電兼用可能)、農業などの用地、単純な太陽光発電用地の三種類の土地利用を取り扱っている。太陽光発電システム設置が居住環境にもたらしうる負の外部性も考慮している。さらに、土地利用均衡・交通均衡の数学的性質の解析を行い、均衡計算アルゴリズムの有効性に結び付く均衡存在条件を明らかにした。交通ネットワークモデルと現実な土地利用政策の融合の数学的な理論基礎を固めた上、効率的な計算法を構築した。これらの成果を基に計算分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
太陽光発電と農地の関係の重要性を認識し、関連産業と政策の分析を追加して行った。また、不動産データの収集、関連のモデルの再構築、数学解析などに時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
土地の農業利用、太陽光発電の費用に関する複数のシナリオを整理し、計算を進め、政策分析を進める。
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