研究課題
組合せ計量機は,ピーマンを筆頭にスナック菓子や野菜サラダなどの食品,さらには薬品,文房具,小型部品等を対象として,定量パッケージングを行うためのシステムである.本国メーカ発のこのシステムは現在世界中で稼働しており,インターネットを活用した立ち上げ作業の効率化に関心が寄せられるのは自然な流れである.更に言えば,類似の性格を持つ製造システムには同様の関心が寄せられるだろう.蓄積したデータを製造システム間の相互連携強化に活用しようとすれば,それらのデータからシステムの設定や運用にとって有益な情報を引き出す必要がある.本研究課題は,そのための代表的アプローチの一つとして,システム動作を表現するための数理モデリングを取り上げて,最適化モデルの構築とその数理構造の解明を目的としてきた.特に,アルゴリズム設計における近似精度保証の観点から,最適化モデルの数理構造を調べてきた.組合せ計量機が詰める食品として,ピーマンとスナック菓子では性質が異なる.すなわち,ピーマンのような食品では一袋あたりの重量に加えて個数もその品質に関与する.しかしながら,実際の組合せ計量機はその違いの影響をあまり受けていないように見える.最終年度に得られた成果の一つとして,そのような差異を検討するための最適化モデルが構築でき,またそれによって,個数の影響が表面化しにくい理由を数理的に説明できたことが挙げられる.最終年度は他に,二品種アイテムの二目的部分和最適化モデルに対する定数近似保証の改良等の成果も得ることが出来た.研究期間を通した成果全体で見ると,実用的に重要なケースに対して,この製造システムの動作を理解し,さらにその優れた性能を引き出すための数理モデリングを行うことが出来たといえる.
軽野義行,組合せ計量機による反復的袋詰め操作の数理モデル,京都工芸繊維大学情報科学センター広報,No.37,2019, pp.18-21.
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing
巻: 12 ページ: -
10.1299/jamdsm.2018jamdsm0051