研究課題/領域番号 |
16K01246
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
岡本 東 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (10305310)
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研究分担者 |
堀川 三好 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (40337473)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 屋内測位 / Bluetooth / ビーコン |
研究実績の概要 |
対象となる設備のある屋内で,既に開発したBLEビーコンを用いる測位手法に基づく測位実験を行った。距離とRSSIの関係は通常の屋内環境と同等であり,これまでに開発した技術がそのまま測位に利用可能であると考えられる。設備におけるノイズ発生についても,当初想定したような問題はなく,新しい測位モデルや手法は必要ないと言える。 一方,生産・物流における測位において,測位対象にBLEビーコンを取り付ける場合,測位対象が非常に多い場合,ビーコンが密集することがあり,輻輳によると考えられる問題が発生した。実測では,ビーコン1個の場合は多くの端末で正常にRSSIが取得できる割合が90%以上,一部の取りこぼしのある端末でも80%以上であった。しかし,ビーコン40個を1箇所にまとめて置いた場合,正常にRSSIが取得できる割合は60~25%程度となった。 また,Wi-Fiの併用については,多くの端末において,かえって精度の低下に繋がることがわかった。これは,2.4GHz帯の物理層をBluetoothとWi-Fiで共有しているためと考えられる。 各種センサによるPDRを併用した方式の開発も進めているが,測位対象にこれらのセンサをもつ端末をつけなければならなどの問題があり,より簡易な機器の開発についても今後検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度の研究実施計画に記載した事項については,実施して国内の学会で発表を行った。また,一部平成29年度の計画に含まれる内容を実施した。 このためおおむね順調に進展していると言える。 ただし,新たな問題を発見したことと,それらの中に未解決のものが含まれているため,当初の計画以上に進展しているとは言えない。
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今後の研究の推進方策 |
計画に基づき,施設に固定する機器と,移動体(人・モノ)に付与する機器の組合せについての検討を行う(一部実施済)。調査した環境を元にあらゆる組合せのシミュレーションを行い,配置を決定する。目的関数としては,計測精度,全体のコスト,電池交換頻度など電源供給に関するものなどがある。 また,上記成果を元に,従来の測位ライブラリの改良と,それを利用したソフトウェア開発を行う。 さらに,複数の機器の機能を組み合わせた新規デバイスの検討を行う。移動体,特にモノへの機器の付与が多くなることが考えられるため,このコストを最小化し,モノの周辺に高機能なデバイスを置くことによって全体のコストを下げることを想定している。また,新たに発見されたビーコンの密集時の問題の解決も試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費の節約などによる端数が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
国際会議をはじめとする旅費に充てる。
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