研究課題/領域番号 |
16K01248
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
八木 恭子 東京都立大学, 経営学研究科, 准教授 (80451847)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 企業買収 / コーポレートファイナンス / Exchange Offer / 友好的合併 / 敵対的買収 / リアルオプション |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響として,企業の合併や買収,経営統合などによる生き残りは今後,増加する事案であろう.すでに,企業が内部投資による事業の拡大よりも,合併・買収という手段によって外部から直接に事業の獲得をすることにより,自らの事業を拡大する経営戦略はしばしば見受けられる. 合併・買収の関する研究には,数多くの実証研究や事例研究があるが,理論的または解析的な研究は多くはない.企業買収には2種類あり、買収される被買収企業の経営陣等の賛同を得て実施される友好的買収(合併)と経営陣の賛同を得ずに行われる敵対的買収がある.敵対的買収では株式公開買い付けにより株式が集められる.その方法として被買収企業の株式と買収企業の株式とを交換することで株式が集められるExchange offerと現金によって株式が集められるTender offerがある.本研究では,リアルオプションアプローチを用いて,一般的な余剰関数の下で友好的合併とExchange offerを用いた敵対的買収の包括的な効率性を示す数理モデルを提案した.このモデルにおいて,包括的な効率な合併と包括的な効率な買収,買収を提案するExchange offerの期待時間を最小にするような買収の関係性を示した.また,Exchange offerを完了するために,被買収企業の株式をどれほど集めるかの基準を分析した先行研究における実証結果と整合的な結果を導いた.さらに,競争相手が存在する下での合併と買収の特性を分析した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内の学会や国際会議での発表を行い,本研究に対するコメント等を受ける予定が,新型コロナウイルス感染拡大による学会の中止などがあり,やや遅れている状況である.
|
今後の研究の推進方策 |
オンライン開催の学会へ積極的に参加し,発表を行うことで,研究を進める予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた学会が中止になったため,使用ができなかった.オンライン開催での学会へも積極的に参加し,研究を進める予定である.
|