研究実績の概要 |
製品の継続使用には保守が必要となるが、魅力的な価格でサービスを提供するサードパーティの品質には課題があり、メーカや顧客にとっても好ましい状況ではない。そこで、本研究は、製品・保守のビジネスエコシステムを構成するメーカ、サードパーティ、顧客が互いにメリットを享受するため、エコシステムの発展要因解明と各プレイヤのすべきプロセス導出を行った。用いた手法は、システム・ダイナミックスとプロセスアプローチであり、それらを用いてモデルを作成し、ビジネスエコシステムレベルでの結果を導出した。主として対象とした産業は、マリンエンジン、建設機械、エレベータである。以上の取組により、最終年度は下記の査読論文が掲載されている。 A. Nagamatsu and Y. Tou, "A Study on the Simulation Modeling in the Business Ecosystem of Japanese Maintenance Services," International Journal of Japan Association for Management Systems Vol.10 (2018) pp.131-136. また、シミュレーション手法を高度化するために、水産業における研究開発の波及効果などの分析も併せて実施した。この成果は現在、投稿中である。 永松陽明, 上野拓海, 藤祐司, 「研究開発活動における知識の有効活用の研究」 日本経営システム学会誌(投稿中). 併せて、他国の状況の調査も実施した。具体的には、台湾におけるインフラにおける情報機器の調達及び品質に焦点を当て、新聞報道やヒアリングを通じて問題の抽出を行うことにより、台湾のインフラ高度化に貢献する知見を導出した。以上の研究を実施し、研究の目的に沿った成果を作成した。
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