研究課題
本研究の目的は,プライバシー保護に配慮して組織間データ共有を促すことで,各組織に属するデータ提供者に有益な情報をフードバックすることである.これに,(1)プライバシー保護と(2)個人へのフィードバックの2つの要素研究でアプローチする.当該年度は,(1)について,各組織が持っているプライバシーへの配慮が求められるデータそのものではなく,効率性評価という特定の目的に応じたデータ変換法を提案して,英語の論文誌に発表することができた.これは,昨年度の国際学会で発表した際に得られた成果を踏まえて,実用性の面から計算量を改良したものである.相対的に効率性評価を行うには,個々のデータではなく,それらによりどのような領域が構成されるかがキーとなる.当然ながら,領域を表すデータに変換するとオリジナルデータに比べてその情報量は減少するが,計算量の減少とのトレードオフを踏まえると実用的に許容される方法といえる.また,効率性評価に限定した情報量を示す指標を提示するとともに,それが減少してしまう複数の要因を明示した.(2)については,不完全なデータを包含関係に帰着させる方法を提案した.一言で不完全性とっても不整合や欠損のようにいくつかのタイプがあり,現実問題ではそれらが混在している.それらをいずれも包含関係に落としこむことで,互いの独立性や従属性といった相互関係を考慮することができ,さらに,トレードオフ関係がある場合には,それを緩和することで可能的な観点からの分析を行うことができる.不完全性の取り扱いの一方法といえる.ここに,本研究の意義があるといえる.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics
巻: 24 ページ: 113~122
https://doi.org/10.20965/jaciii.2020.p0113
Fuzzy Techniques: Theory and Applications, Proceedings of the 2019 Joint World Congress of the International Fuzzy Systems Association and the Annual Conference of IFSA/NAFIPS'2019
巻: - ページ: 61~72
10.1007/978-3-030-21920-8_6