個々の従来モデルで使われている視点はそれぞれ高いパフォーマンスを生み出すための重要な要素ではあるが,分析者が活用できる形で体系化されていない.また,医療分野ではヒューマン・ファクターに着目した事故分析手法が主流であり,そのヒューマン・ファクターを含めた診断・分析のための総合的な視点を本研究では提示している. 本研究成果を用いることで,日常診療業務に多忙な医療者が自病院の医療業務プロセスに潜む問題を抜け・漏れなく迅速に把握できるようになる.これは,患者の生命を危ぶめるような重大な医療事故を未然に防止することにもつながり,医療サービスの質保証のための有効な手段のひとつになりうる.
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