研究実績の概要 |
本研究は、個体と集団のインタラクションのあるプロセスにおける個体の意思決定問題の解析手法として新たに提案・研究されている平均場ゲームや非線形マルコフ過程を用いた解析手法を、ネットワーク上での情報拡散、生物の集団行動、株取引の3つ実例に応用できるように改良し、実際のソーシャルメディアのデータ、株式市場の高速取引データ、ハチなどの生物の観測データを用いて、その妥当性・応用可能性について実験・検証・改良を行うことを目的とする。
今年度は、次のような成果が得られた。(1)株式市場での注文分布の数学的モデル化とその特性を利用した最適注文方法の考案(Journal of the Operations Research Society of Japan, Vol. 60, No. 2, April 2017, pp. 101 - 109)(2)Nonlinear Markov modelと優先権付き株式市場におけるトレーダーのモデル化とスウォーム行動の発現の予測(日本オペレーションズリサーチ学会春季研究発表会)(3)ソーシャルネットワーク上のPull型情報拡散モデルにおける最適な情報伝播方法(日本オペレーションズリサーチ学会春季研究発表会)(4)公認会計士を目指す学生を対象とした相互作用実験から得られる特性分析(日本オペレーションズリサーチ学会春季研究発表会)(5)社会性昆虫の巣内での行動をモデル化するシミュレータを開発。実際のフィールドワークで得られたデータとの適合性を検証( Mathematical Models in Ecology and Evolution conference, Londonに採択、発表予定)
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