研究課題/領域番号 |
16K01268
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
鈴木 敦夫 南山大学, 理工学部, 教授 (70162922)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | スケジューリング / 医療機関 / 製造業 / 講習会スケジューリング |
研究実績の概要 |
計画していた研究のうち、医療機関におけるシフトスケジューリング問題については以下のような状況である。麻酔科医のシフトスケジューリングシステムについて、試作システムを現場で試用している。現場からのフィードバックを得て、実用化に向けてさらに改良を行う予定である。また、研修医のスケジューリングについては、年間を通じての診療科の割り当てと、短期間の当直の割り当ての両方の問題について、システムを作成し、現在、現場からのフィードバックを得て、試作システムを改良中である。さらに、リスケジューリング問題という新たな問題に対して、解決方法を考案中である。リスケジューリング問題とは、スケジューリング期間の途中で例えば、医師の都合で、勤務日の変更の要請が生じたときに、その影響が最小限になるようにシフトを変更する問題である。実用的なシステムは従来は実現が難しいと考えられていたが、数理計画法の問題として解決できる見込みである。 製造業でのスケジューリング問題については以下のようである。企業内研修会のスケジューリング問題を自動的に行うシステムを作成して、実用化した。また、相談会を様々な会場で行う際の、会場への訪問順序を最適化するシステムも実用化した。これらのシステムは現場でのフィードバックを得て、さらに改良する予定である。 麻酔科医のスケジューリング問題については、日本で開催される国際スケジューリングシンポジウムでの発表が採択され、2017年6月に発表予定である。研修医のスケジューリングについては、日本経営工学会論文誌に投稿中である。製造業のスケジューリング問題については、適切な学術雑誌に発表する準備を進めている。また、海外の学会でも発表するように、適切な国際学会への投稿を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で述べたように、計画した研究は概ね実現されている。医療機関のスケジューリングについては、麻酔科医のスケジューリングと研修医のスケジューリングのシステムを計3種類作成し、いずれも実用化に近づいている。研究成果の発表について、医療機関のスケジューリン問題については、麻酔科医のスケジューリングについては国際スケジューリング学会での発表が決定しており、その後、学術誌に原著論文として投稿する計画である。 製造業におけるスケジューリングについては、講習会の時間割作成のスケジューリングシステムと、相談会の会場を巡回する順番を決めるスケジューリングシステムの2種類を作成し、実用化している。研究成果の発表については、若干遅れているものの、これらについても適切な学術誌に投稿を準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、昨年度の研究を継続する予定である。医療機関のスケジューリングについては、リスケジューリング問題を解決し、その成果を組み込んだシステムの試作を行う。その上で、麻酔科医と研修医のスケジューリングシステムを実用化する。製造業のスケジューリング問題については、さらに講習の効果を最大にする講習の受講順序を決定する問題を考案中である。先に実用化したシステムを改良するとともに、この問題を解決すシステムを試作し、実用化に向けて改良を重ねる予定である。そのほか、教育機関や様々な組織でのスケジューリングの問題や、同様の手法が適用できる在庫の問題の一種などを研究し、得られた成果を展開する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費、人件費で若干の予算からの乖離があったため。
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次年度使用額の使用計画 |
旅費に使用する予定である。
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