研究課題
研究代表者等の既往の研究成果として、患者の回復過程を複数の治療フェーズでチャート化し、各治療フェーズにおける評価項目と評価結果に応じて実施すべき介入項目を含むリハビリパスを開発した。言語聴覚士の嚥下障害を対象とするリハビリパスは、評価結果と介入結果の記録ツールとして、平成27年1月より聖マリア病院で実運用されるに至った。本研究では、原疾患の患者背景に応じて最適なパターンを選択する手法開発を目的とした研究を行った。脳血管疾患のリハビリを対象として行った研究について、他の種類のリハビリについても方法論の一般化を目指していく。平成30年度の実績としては、嚥下障害のリハビリを対象としてパイロットスタディを実施し、他障害のリハビリパスへの一般化を行った。(3)嚥下障害についての治療パターン選択ロジックについては、3病院における過去の取り組みを基に、患者因子を評価・最適化する方法について考察した。(4)他障害のリハビリパスについては、理学療法士・作業療法士が対象とする基本動作・作業動作を対象として作成を行った。基本動作については、聖マリア病院で原案を作成し、他3病院でレビューを行った。作業動作については、飯塚病院で原案を作成し、他3病院でレビューを行った。臨床プロセスチャート(CPC)と移行ロジックについては初期案が完成し、ユニットシート(US)については、能力評価および機能評価の一覧表を作成し、4病院における実用性の評価を行った。(5)脳血管疾患に関する共通患者因子シートについては、(1)(2)の嚥下障害と、(4)の基本動作における患者因子シートを統合し、共通患者因子シートの原案を作成した。作成したリハビリパスの現場での継続運用にあたっては、アプリケーションと電子カルテが連動していないことに起因する業務負荷が障壁となっている。療法士の業務負荷を考慮した運用形態を実現する必要がある。
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日本リハビリテーション病院施設協会誌
巻: 165 ページ: 43-49