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2018 年度 実績報告書

最適な表面性状の高温固体面への液滴衝突でミストを生成・輸送する新規消火方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K01279
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

廣田 光智  室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50333860)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード間接消火 / 二次微粒化 / 液滴蒸発
研究実績の概要

複数の液滴を連続的に滴下して消火できる範囲を拡大することが目標.以下の三つに着目.1)液滴複数系統を同時に滴下して消火範囲が最も広くなる位置の最適化,2)液滴の連続滴下によるミスト群の連続発生限界の測定,3)液滴衝突の瞬間挙動を詳細に観察し,衝突後の挙動と消火確率との関係を調査.
本研究は,加熱固体表面に消火剤液滴を衝突させて蒸気化・二次微粒化し,これを利用して上方の火炎を消火させる「間接消火」を対象としている.平成30年度は,特に複数液滴の落下による消火範囲の拡大効果に着目した.純水にセラミック系接着剤を一定割合混合し,これを加熱されたステンレス金属表面に塗布して表面改質を施した.ここに消火剤液滴を滴下してその上方に配置した火炎を消火させた.このとき液滴を一滴落下させる場合は,火源中心から徐々にx方向(横方向)へ落下位置をずらし,消火確率の変化を測定した.また液滴を二滴落下させる場合は,火源を挟んで左右対称に滴下位置を配置し,徐々に火源からのx方向距離(横方向)を両方とも離しながら,消火確率の変化を測定した.一滴と二滴の効果を比較した結果,蒸気群の干渉で消火に有効な液滴間距離は20mm程度となった.なお表面改質した200度以上の加熱固体表面へ落下する一滴の液滴蒸発挙動から,少なくとも5秒間隔で液滴を落下させることで連続的に火源を窒息できることがわかった.ただし,火源への連続滴下で表面温度は最大50度程度まで低下するため,間接消火の効果が限定される可能性がある.木材火災のように芯材内部まで高温を保っている場合もあるため,連続落下の有効間隔は今後も別途検討すべき項目である.接写による液滴衝突挙動の観察から,表面改質を施した場合,衝突後に固体表面に沿って液膜が拡大する途中でその進路を妨げられ,蒸気発生範囲を縮小している様子がわかった.これにより一滴の消火範囲が縮小したといえる.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] セラミック系接着剤を混合した水による表面改質とその消火効果2018

    • 著者名/発表者名
      廣田光智,桑島義和,鳥飼宏之,畠中和明
    • 学会等名
      平成30年度火災学会研究発表会
  • [学会発表] 界面活性剤による表面張力が液滴の蒸発挙動と消火に及ぼす影響2018

    • 著者名/発表者名
      山川僚太,廣田光智,鳥飼宏之,畠中和明
    • 学会等名
      第56回燃焼シンポジウム
  • [学会発表] 噴射ノズルの有効振動周波数に及ぼす消火剤の影響2018

    • 著者名/発表者名
      大橋哲,廣田光智,鳥飼宏之,畠中和明
    • 学会等名
      第56回燃焼シンポジウム
  • [学会発表] 固体壁面性状が液滴の衝突挙動と有効消火範囲に及ぼす影響2018

    • 著者名/発表者名
      飯塚光耶,廣田光智,鳥飼宏之,畠中和明
    • 学会等名
      第56回燃焼シンポジウム
  • [学会発表] 間接消火における表面張力の違いが消火能力に与える影響2018

    • 著者名/発表者名
      廣田光智,山川僚太,飯塚光耶,鳥飼宏之,畠中和明
    • 学会等名
      第96期日本機械学会流体工学部門講演会

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公開日: 2019-12-27  

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