研究課題/領域番号 |
16K01298
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研究機関 | 日本赤十字九州国際看護大学 |
研究代表者 |
鈴木 清史 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (80196831)
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研究分担者 |
吉川 肇子 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (70214830)
堀井 聡子 富山県立大学, その他部局等, 研究員 (70617422) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ヘルス・リテラシー / ヘルス。コミュニケーション / 学習教材 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、自己啓発型ヘルス・コミュニケーションツールの開発と評価である。開発を目指す自己啓発型ツールとは、これを通して自分の健康に何が必要で、どのよううにすれば健康的な生活につながるのかという意識の向上と、あわせて健康であるために必要な知識も習得できるものである。この目的を遂行のために、いわゆる発展途上国であるパキスタン・イスラム共和国を調査地として選び、同国の就学児童を主対象にしてどのような資料やその提示が有効であるのかを調べた。 調査は平成29年9月にパンジャブ州ラホール市の私立小学校の協力を得て、同小学校の低学年児童を対象にして実施した。試作案は日本の素材を用いて作成した。その経緯と結果については、「健康教育教材の試用と今後の課題-パキスタンの小学校での試み-」(『アジア研究』静岡大学人文社会科学部アジア研究センター 第13号(2018)25-33)として発表した。 この中では、日本の幼児児童を対象にしているイラストや写真は、本研究の調査地でも有用であることを示した(宗教的な制約を極度に意識する必要はないということ)。一方で、発展途上国というひとくくりでとらえるよりも、都市部・非都市部という区別のほうが重要な要因になるかもしれないことを示した。つまり、都市部で暮らす児童は、日常生活において非都市部の児童よりも衛生管理への意識を払っているし、害虫にさらされる危険も少ないことが分かった。そのため、都市部と非都市部では、児童の健康意識にも差があることが浮かび上がってきた。このことは、一律の教材を用いるよりも、地域差を反映できるような要素を考慮する必要を示すことになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30(2018)年度は研究活動の最終年度であった。調査地(パキスタン・イスラム共和国パンジャブ州)を訪問するとともに現地の協力者を日本に招聘し、最終成果物の作成を予定していた。しかしながら、調査予定時期が同国での総選挙と重なったことで、現地での協力体制を整えることができなったことから現地訪問ができなかった。あわせて、現地協力者の招聘時期もずれ込んだ。これらのことか課題達成に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
調査地との協力を得て、最終成果となる学習教材の作成を行う。併せて、現地を訪問し、最終成果物の報告と、現地協力者への提供を行うことを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査予定時期が同国での総選挙と重なったことで、現地での協力体制を整えることができなったことから現地訪問ができなかった。あわせて、現地協力者の招聘時期もずれ込んだ。これらのことか課題達成に遅れが生じたことが次年度使用額が生じた理由である。 令和31年度前半に最終成果物を作成し、現地への提供をする使用計画を立てている。
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