研究課題
本研究では,不発弾の大きさ,弾頭形状および土壌動特性の違いを精緻にモデル化し,これらを導入した数値シミュレーションモデルによる計算機実験を通して,避難半径を決定・提案する.さらに,防護壁(ライナープレート)の設計・施工方法についての計算機シミュレーションを通して,積極的な避難半径の縮小化を目指す.研究初年度は,沖縄県本当南部地域に広範囲に分布する「島尻マージ」を対象とした力学試験により,密度,保水率,圧縮強度といった静的パラメータを得た.さらに,爆轟時の飛散挙動に大きく寄与する土壌動特性について,熊本大学パルスパワー科学研究所内の衝撃実験棟の共同利用により,爆轟誘起の衝撃波伝ぱ挙動を超高速度ビデオカメラによる光学観測実験により明らかにした.また,実験系の同様の数値シミュレーション結果と実験結果との比較検討により,算出パラメータならびに実験系の妥当性について確認した.研究2年目では,沖縄県固有の土壌であるジャーガルならびに島尻マージ2種類の「土壌動特性」の違いが,一次破片の飛散挙動に及ぼす影響について検討を行った.さらに,防護壁(ライナープレート)を設置した数値シミュレーションモデルを作成し,防護壁形状,出口面積に依存する一次破片の飛散挙動について検討を行い,出口直径を2/3とすることで,約30~50%の一次飛散物を抑制できることを明らかにした.研究最終年度では,炸薬量・不発弾実形状の違いについて詳細な検討を行い,ジャーガルに比して音響インピーダンスが小さい島尻マージの一次飛散距離が小さくなることを確認した.さらに,得られた粒子速度ベクトルデータより簡易飛行シミュレーションを実施し,得られた一次飛散物の予測到達距離を地理情報システムへ導入することで,仮想避難マップとして可視化を行った.
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