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2019 年度 研究成果報告書

インドネシア・シナブン火山と雲仙普賢岳噴火の比較研究

研究課題

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研究課題/領域番号 16K01313
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 自然災害科学・防災学
研究機関東京大学

研究代表者

中田 節也  東京大学, 地震研究所, 名誉教授 (60128056)

研究期間 (年度) 2016-10-21 – 2020-03-31
キーワードシナブン火山 / 雲仙普賢岳 / 溶岩ドーム噴火 / ブルカノ式噴火 / 溶岩荷重 / 溶岩噴出率 / マグマ過剰圧
研究成果の概要

溶岩ドーム噴火は噴出率が数十m3/秒以下の低い場合に起こり,ドーム成長の際に崩壊型の火砕流が頻繁に伴うが,爆発的噴火が発生することもある。シナブン火山も雲仙普賢岳の溶岩ドーム噴火も噴出率が時間とともに指数関数的に減少する活動であったが,シナブン火山では活動後期になって爆発的噴火が頻繁に発生した。雲仙普賢岳では活動末期に溶岩尖塔が形成され,火口を厚い溶岩が蓋をしたが,シナブン火山では急峻な地形で崩壊が継続し溶岩尖塔が形成されなかった。低噴出率に至ってシナブン火山で爆発的噴火が頻発したことは,溶岩荷重が不十分のために火道上部で火山ガスを蓄積したマグマ圧が上回り爆発的噴火をもたらしたと提案された。

自由記述の分野

火山地質学

研究成果の学術的意義や社会的意義

爆発的なブルカノ式噴火は,火道上部に蓄積する火山ガスに富むマグマ圧がそれを上から押さえる溶岩荷重を上回ることによって起こる。そのため,噴出率の低い溶岩ドーム噴火や水蒸気噴火であっても爆発的噴火は発生する。噴出率が比較的高い時期に,溶岩ドームの大崩壊による火道上部の急減圧によってブルカノ式噴火が誘発されることは知られているが,より低い噴出率であっても,溶岩荷重が不十分であればブルカノ式噴火が頻繁に発生することが本研究で示された。これは溶岩ドーム噴火のリスクを考える上で,活動末期であっても規模の比較的大きな爆発が起こりうるというハザード評価が必要であることを示した。

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公開日: 2021-02-19  

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