研究課題
本年度はハイドロフォンのセンサ部となる金属管の肉厚や露出率について検討した。現地では肉厚や露出率などは全て同じ規格が用いられる。しかし、実際は流域によって地形、材料や水理条件などが異なるため、同じ規格が用いられることに課題が残されている。また、従来の水路実験による検討では、現地と同じ規格のハイドロフォンを用いているが、両者のスケールの違いからそれぞれで金属管の固定方法が異なる。しかし、ハイドロフォンの応答性に関して比較検証が行われておらず、適用性についても課題が残されている。本研究では、現地スケールに近い条件で水路実験を実施した。肉厚と応答性については反比例の関係を示し、本実験条件下では最も小さい感度で計測範囲を超えないことを確認した。これは、金属管の持つ固有振動特性とマイクロフォンのダイナミックレンジから、さらに大きな運動量を持つ流砂が衝突しても計測可能であることを示す。また、流砂衝突後の応答時間は肉厚が大きくなると短くなるが、比例関係を示さない。これは、金属管の持つ固有振動が影響していると考えられる。露出率が高いと、流砂が金属管に衝突する割合は増大するが、単位時間当たりに金属管に衝突する粒子数も増えるため、露出率を高くしても流砂量と良い相関に繋がるわけではない。本検討によりハイドロフォンの金属管の肉厚や露出率が異なると、流砂が金属管に衝突する割合や応答性が異なる結果を得た。これらの結果は、現地の条件に応じて、規格の異なるハイドロフォンが適用可能であることを示す。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)
Journal of Hydraulic Engineering
巻: Vol.74, No.4 ページ: 1147-1152
https://doi.org/10.2208/jscejhe.74.I_1147
京都大学防災研年報
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