国士交通省から提供されたXバンドMPレーダデータを使い、降雨量画像表示システムを作成した。XバンドMPレーダデータは、2010年7月から試験運用が始まり、2015年時点で38基のX-band MPレーダが整備され、配信を行っている。国土交通省のWebサイトXRAINでリアルタイムの雨量情報を発信しており、列車運行や消防庁の警戒、水防判断などの材料として活用が始まったばかりである。日本気象協会ではXRAINのデータを活用した予測雨量情報を、スマートフォン向けサイト「気象協会晴曇雨(はれくもりあめ)」で2013年3月から試験提供している。国土交通省のWebサイトXRAINは、リアルタイムに雨量情報を表示できるが、分解能は低く、市町村単位で、白地図程度である。また、X-band MP レーダ雨量情報への対応はまだ始まったばかりと言って良く、実システムはほとんど存在しない。 本研究では、X-band MPレーダ降雨量データの地理情報システム(GIS)による活用として、X-band MPレータ雨量データを解析し、予測される災害の発生地点、被害の拡大範囲および被害程度、さらには避難経路、避難場所などの情報をGoogle MapsのAPI とAjax の環境を使用してWeb GISシステムを構築した。 以上の実績を2018年度において地理情報システム学会「X-band MP雨量情報を使用した降雨解析(2017年7月5日九州北部)」、情報処理学会「XRAINによる平成30年7月豪雨被害/岡山雨量解析」として発表している。さらに、「The Web-based accumulated rainfall amount monitoring system by X-band MP radar(Journal of Flood Risk Management (Wiley))」として公表している。
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