SARデータを用いた土石流の解析では、SAR特有の幾何学的歪みによりその抽出が難しく研究事例が少ない。しかし、正規化後方散乱係数は災害前後で変化を示しており、土石流検出の可能性を示すことができた。SARデータを用いた深層崩壊の解析では、崩壊地検出における最適な局所領域のサイズと閾値を求めることができた。これにより、新たに発生した深層崩壊の迅速な検出が期待できる。さらに、フル偏波データでは災害前後のα角を用いることが崩壊地検出に有効であることを示した。 近年、地震や極端な気象現象が観測されており、土砂災害被災情報の早期把握とその情報提供が求められており、本研究の成果はそれに寄与するものである。
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