2016 年度実施状況報告書

限界集落における人手除雪の排雪搬送高効率化移動式除雪圧縮押出し機械の自働制御

研究課題

研究課題/領域番号	16K01338
研究機関	富山高等専門学校
研究代表者	石黒農富山高等専門学校, ソリューションセンター, 講師 (40455126)
研究分担者	由井四海富山高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (10413759) 田尻智紀富山高等専門学校, 機械システム工学科, 助教 (10735525) 石原外美富山高等専門学校, その他部局等, 校長 (60019221) 金子慎一郎富山高等専門学校, 電気制御システム工学科, 准教授 (60446242)
研究期間 (年度)	2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード	限界集落 / 消滅集落 / 少子高齢化 / 除雪支援 / 排雪支援 / 自働制御 / 圧力容器設計 / 雪氷の圧密
研究実績の概要	「限界集落における人手除雪の排雪搬送高効率化移動式除雪圧縮押出し機械の自働制御」を目的に、高圧力除雪圧縮装置開発に関する除雪の高速圧縮の基礎特性を実験的に調査した。人間の感覚を重視した除雪高速圧縮装置を開発するには、人間のどんな操作にでも圧縮圧力容器が破壊しないことが求められる。他研究者の研究業績を検索したところ、除雪圧縮時において容器に発生する圧力に関する報告は無いことが分かった。そこで、除雪の高速圧縮における容器に発生する応力を測定した。それらを定量的にまとめ、論文を投稿し査読審査の結果待ちである。研究結果から、一辺が1000㎜を超える除雪の高速圧縮では、非常に大きな成形力が必要であることが分かってきた。それに伴い、装置全体の重量が増加する問題が生じてきた。牽引移動できるような圧縮装置の開発も目的に、最大2トンの重量制約を設け、高速除雪圧縮装置形状の最適化問題を検討した。その結果、実物大の金型を製作し高速圧縮実験を実施した。この結果についても順次まとめ論文で報告する予定である。これらについて、2016年7月27日に富山高等専門学校主催の第４回製品開発セミナーで報告した。また、本校の教員海外短期派遣事業中にEUのハンガリー国のパズマニーセントカトリック大学で、「限界集落における人手除雪の排雪搬送高効率化移動式除雪圧縮押出し機械の自働制御」および「圧力容器の疲労試験を基にした設計方法」について2016年10月21日に同大学の博士課程以上の研究発表会で口頭発表した。実験研究について想定より研究の進展速度が速く、続いて実施予定の研究を前倒して実施している。圧力容器の疲労特性評価としてFEMと回転曲げ疲労試験およびCT疲労試験による冷寒地における圧力容器の疲労特性評価の応用研究を実施開始している。
現在までの達成度 (区分)	現在までの達成度 (区分) 2: おおむね順調に進展している理由おおむね順調に申請計画通り研究が進んでいる。実験はうまく進んでいるものの、研究結果をまとめ論文や口頭発表につなげることができていない。平成29年度は、海外への短期研修などが無いため、集中して論文執筆に取り組み、海外発表に備えたい。人間の思考を考慮したオートマトンによる除雪高さの予測プログラムの開発について、2016年から2017年の間の降雪後の除雪高さを実施した。既存オートマトンプログラムの結果と比較して論文の形で報告したい。
今後の研究の推進方策	研究計画は残り2年あり、そのうちに多くの論文を公表できるようにしたい。人間の感覚を取り入れた自働制御による除雪の高速圧縮について検討を実施する。実験装置は既にできており、実験を実施しまとめ、論文として発表できるようにしたい。セルラーオートマトンを用いた除雪溜まりの予測プログラムについては、実験データとの比較を行い、早急に英語口頭発表を実施したい。
次年度使用額が生じた理由	想定していた装置の改造を外注すると多額の費用が掛かることが分かり、装置を安価に構築するために、申請研究者みずからが設計および組み立てを実施したため、外注時における設計費用および人件費を削減することができた。シミュレーションソフトについては、所属機関で購入したものを使用できたため、費用を削減できた。また、旅費については、他の学内プロジェクトの費用で渡航し、海外で発表を実施したため、その費用が浮いた形となった。
次年度使用額の使用計画	申請研究に関連する投稿査読段階の論文が2編あり、今後採択され印刷費用が発生すると予想される。また、2年目にも2編の論文を追加投稿予定であり、更に投稿費印刷代金が掛かることが予想される。また、申請研究に関連する内容を海外で発表したいと考えており、その旅費にも使用したいと計画している。さらに、この研究の発展として、圧力容器の疲労試験に関する応用研究を実施したいと思っている。申請研究で制作した装置を更に改造高度化させ、さらに申請研究を応用研究として高度化したい。そのための、研究費用として使用したい。