研究課題/領域番号 |
16K01339
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研究機関 | 富山高等専門学校 |
研究代表者 |
古山 彰一 富山高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (90321421)
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研究分担者 |
千葉 元 富山高等専門学校, 商船学科, 教授 (20369961)
水本 巖 富山高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (40239257)
加藤 茂 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40303911)
岡辺 拓巳 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50464160)
有田 守 金沢工業大学, 環境・建築学部, 講師 (80378257)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ニューラルネットワーク / 高潮 / シミュレーション / GPU / 浸水 / 潮位データ |
研究実績の概要 |
本研究では、高波や高潮、さらには津波などで水が陸域に大量に押し寄せる災害を想定し、人工知能技術を用いてその将来予測を行い、結果を広く発信し減災に貢献するシステム構築を行う。開発に際して以下の4点を考慮する。1.沿岸域におけるリアルタイム水位データ取得システムの構築。2.ニューラルネットワーク(以下NN)を利用した高速水位予測システムの構築。3.2.から得られるデータを基にした高波・高潮による陸上浸水シミュレーションモデルの構築。4.SNSとWebを用いて2. 3.でえられた情報を広く素早くタイムリーに発信。本研究は、「開発フェーズ」:ニューラルネットワークシステム構築、リアルタイムデータ取得システム構築、シミュレーションモデル検討。「高度化フェーズ」:ニューラルネットワークシステムの信頼性向上。「汎用化フェーズ」:システム運用、情報公開、の3つのフェーズで遂行されるが、平成28年度は「開発」フェーズを主に行なわれた。ニューラルネットワークシステム構築についてはGPUシステムを用いてNNの構築を行い、水位予測に関する基本的な機能を検討した。シミュレーションモデル構築に関しては沿岸域での水位の異常上昇が陸域にどの程度の被害(浸水)を及ぼすかをシミュレーションにより明らかにした。また陸域に浸水した場合の建物周りの浸水の状況については、粒子法を用いる事で建物データを考慮した流れ場計算も行った。リアルタイムシステム構築については、現在富山湾沿岸域2か所で、寄り回り波の警報を目的としたリアルタイム水位計測システムの稼働準備中である。富山湾沿岸域の水位予測観測データとしてはこの計測システムのデータを収集、蓄積するためにシステムを整備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ニューラルネットワークシステム構築と、高波のシミュレーション実現に関して、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
基本的なニューラルネットワークシステムの構築は行えたので、今後、このシステムを水位予測システムに展開する。またシミュレーションとの比較検討を行う事で、その精度向上を目指す。そこから得られた予測データに関しては、できるだけ早いタイミングでSNSなどを利用して公開する事を試みる。 システム構築においてはおおむね順調に進展しているが、過去の潮位・水位データに関して欠落している物や、そもそもがアナログデータ(紙上でのペンレコーダ)であるため、今後、データ整理に多くの時間を費やす可能性がある。また、共同研究者らが三河湾で水位データを取得している事から、こちらのフィールドで展開することも検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究結果が出たタイミングと国際学会発表のタイミングが合わずに、年度をまたいでしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
国際学会発表を2017年7月に予定(決定)しており、そこで使用する予定である。
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