研究課題/領域番号 |
16K01343
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
篠田 昌弘 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (30462930)
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研究分担者 |
宮田 喜壽 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (20532790)
野々山 栄人 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 助教 (00624842)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 斜面 / 安定解析 / 変形解析 / 地震 / 降雨 / 異常気象 / 二次災害防止 |
研究実績の概要 |
作用力の確率論的評価を実施するため,地域気象観測所と地上気象観測所の観測データを用いて,観測データの蓄積に伴うある再現期間における確率降水量の変動を調べた.地域気象観測所の観測データを用いた統計解析から,確率降水量が増加する地域が推定できた.さらに,地上気象観測所データを用いた統計解析から,特定の地点における確率降水量の増加が判明した.また,再現期間に応じた確率降雨量を用いた降雨履歴モデルを提案した.提案法を用いて,気象庁が採用しているタンクモデルを用いて,土壌雨量指数の推定を行った.この土壌雨量指数を用いて,降雨時の斜面内の地下水位の推定を行った.この手法により,降雨作用時の斜面の安定性評価が可能となった.さらに,降雨作用後の地震作用や,地震作用後の降雨作用などシナリオベースでの斜面の作用モデルの構築が可能となった. 抵抗力の確率論的評価を実施するため,樹木根系の抵抗力を加味した地盤強度定数を広域的に推定した.この推定にあたっては,地震で発生した実際の斜面崩壊結果に合致するように推定した.広域的な地盤の抵抗力評価のため,地質毎に地盤強度定数をばらつかせて,災害状況図との合致率が最も高い地盤強度定数を推定することとした.以上の情報を基に,斜面崩壊危険度評価マップ作成のための分析結果の整理を実施した. 2016年熊本地震で発生した斜面災害を対象に,降雨作用と地震作用を考慮した斜面崩壊危険度評価マップを作成して,実際の被災状況と比較した.その結果,災害状況図と推定結果が概ね合致していることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに研究は進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度には,オンデマンド方式斜面崩壊危険度評価マップの作成を実施する.具体的には,斜面崩壊危険度マップの作成と過去の被害事例を用いた検証を実施する.現在までのところ,研究はおおむね順調に進展しているため,研究計画の変更は予定していない.
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次年度使用額が生じた理由 |
土木学会論文集への投稿費用として,94,140円を充当する予定だったが,次年度に請求されることとなったため,次年度使用額が生じた.
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