研究実績の概要 |
1) カルシウム感受性色素としてFluo4を用い、ラット心臓をランゲンドルフ灌流しつつカルシウムイメージングを行う系のテストを行った。
2) 心臓におけるTRPMチャネル発現の3次元マップの作成を目的とし、Matrix-assisted laser desorption/ionization (MALDI) imaging mass spectrometry(MALDIイメージング)を行った。ターゲット臓器である心臓およびコントロール臓器である精巣を、TRPC6ノックアウトマウスおよび野生型のマウスから1個ずつ採取し試料として用いた。その結果、同時に57種類以上のタンパク質の発現マップを100 umの解像度で得ることができた。心臓においては心筋特異的タンパク質であるcardiac alpha actin, cardiac troponin T, tropomyosin alpha-1 chain, titin, myosin light chain 1, myosin light chain 3, myosin-6の局在を確認することができた。
3) ヒト心筋細胞におけるTRPMチャネルの不整脈への寄与を調べる実験では、ヒトiPS細胞を心筋細胞に分化させ、細胞内カルシウムイオン濃度のリアルタイム観察および心筋収縮能の定量的解析法を確立した。虚血再灌流障害を模擬する条件として過酸化水素の投与を行い、その至適濃度を調べた。今後はTRPMチャネル阻害剤を用いることにより、虚血再灌流障害を模擬した条件下で不整脈の発生メカニズムの解明を目指す。
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