日本をはじめとする多くの国で癌が死因第一であり、その克服のために従来法とは異なる特徴を持つ新しい治療手段が求められている。ナノ秒高電圧パルスは作用強度に応じて細胞に様々な応答反応を誘発することができる物理的刺激であり、癌治療の新手法として期待されている。本研究ではナノ秒高電圧パルスが、放射線など癌治療に利用されている物理的手法とは大きく異なる作用メカニズムを持つことを明らかにしたことに学術的な意義がある。また癌治療の新手段としての特徴と可能性を明示したことで、癌治療におけるナノ秒高電圧パルスの実用化に向けたさらなる研究の発展につながるものといえる。
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