研究課題
3年計画の初年度として男性COPD患者(軽症から最重症)19例、呼吸機能正常者6例について初回の呼気ガス分析を施行した。呼吸機能正常者と比較して、COPD患者は呼気ガス中の酸素、二酸化炭素比が不均一な傾向であった。次の検討として臨床項目(自覚症状スコア、呼吸機能検査、胸部CT)との比較のため、並行してCOPD患者58例を対象に2年間の臨床項目の経時変化を検討した。自覚症状や呼吸機能検査では明らかな変化を認めなかったが、胸部CTで得られた気道病変の指標となるWA%や血管病変の指標となる%CSAは気腫性病変の指標であるLAA%とは一律に変化しないこと、進行性の気腫性病変に比して気道病変や血管病変はある程度可逆的で治療に反応する可能性があることを報告した。この研究結果は本研究を実施し考察する上で参考となる結果と考えている。
3: やや遅れている
COPD患者を対象としたより包括的な前向き観察研究にするため、所属施設の倫理委員会に対し呼気ガスを含む臨床検査項目の追加、観察期間延長の修正申請を再度行い、倫理審査通過後に測定開始となった。計画当初の施設の呼気ガス分析装置での測定が困難となり別施設への測定依頼、搬送方法調整を行い測定開始となった。その後は毎週定期的に測定を施行している。
2017年上半期を目安に計50検体の測定を予定している。その後は、COPD患者の定期フォロー(診察、呼吸機能、胸部レントゲンまたはCT検査、採血、骨塩量等の併存症検索)に合わせて経時的に呼気ガスを同時採取し、臨床項目との関連を検討する。また、COPDの急性増悪を起こした際にも呼気ガスを採取し、平常時との変化を検討する。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Int J COPD
巻: 12 ページ: 551-560
10.2147/COPD.S121405