研究実績の概要 |
当院外来通院中のCOPD患者または疑いの78検体を対象として、呼吸機能検査、胸部CT検査に加え、呼気ガスを採取した。高感度ガス分析装置(ブレスマス)を用いて質量数ごとの信号強度を測定し、臨床項目との関連を検討した。呼気に含まれる質量数200までの微量ガス成分のうち、質量数51、59付近の質量数をもつガス成分の信号強度と、1秒量、1秒率、%1秒量の間に逆相関(r= -0.3, p < 0.05)を認めた。これらの項目は肺活量(VC)や%VCとの関連は認めなかった。また、肺気腫の割合(LAV%)と59、30台前半の質量数をもつガスの信号強度と関連を認めた(r= 0.4, p < 0.001)。増悪の有無の群間比較では、32、34付近の質量数をもつガスの信号強度で群間差を認めた。COPD患者における呼気ガス分析は、診断や重症度、また肺気腫や増悪などの病型診断について有用である可能性が考えられた。
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