研究課題
本年度は、ルーマニアのピテシティ大学で取得した160名(ルーマニア語とロシア語話者)から収集した310個のデータセットに関して、PST株式会社で開発済みのMind Monitoring System (MIMOSYS)の音声指標である元気圧と申請者が発明した音声指標であるピッチ検出率(特許出願済み)を用いて解析を行った。その結果、MIMOSYSによる分析では、うつ病の高リスク群と低リスク群の元気圧平均値に有意な差がみられた。また高い精度で健常者から自殺願望の高い被験者を識別できる可能性が示唆された。一方ピッチ検出率を用いた分析では、MIMOSYSの元気圧よりも高い精度で自殺願望の高い被験者を識別できることが明らかになった。昨年度開発した大うつ病の指標となるMajor Depression Voice Index(MDVI)とパーキンソン病の指標となるParkinson’s Disease Voice Index (PDVI)に関しては、更なる検証を行うとともに、高い解像度の音声データ対応できるようにプログラムの改良を行った。高解像度音声を使用して分析を行ったところ、MDVIに関しては、より高い精度でうつ病重症度の識別が可能となること明らかになった。PDVIに関しては、長母音音声、定型句読み上げ音声を用いて分析を行ったが、いずれにおいても高い精度で健常者とパーキンソン病患者を識別できる可能性が示唆された。更に、定型句読み上げ音声に関しては、発声障害に関するアンケート指標の得点、すなわち自覚症状とPDVIの間に有意な相関がみられた。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 10件)
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