研究課題/領域番号 |
16K01415
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
畑中 裕司 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (00353277)
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研究分担者 |
川崎 良 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病予防健診部・健康開発, その他部局等, その他 (70301067)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 判定 / 高血圧 / 動脈硬化 / 糖尿病網膜症 / 自動検出 / 自動分類 |
研究実績の概要 |
本年度は、眼底画像から異常部位を自動検出・解析するアルゴリズムの開発を進めた。 まずは、高血圧性変化の解析のために、血管の自動検出処理と動静脈の自動分類処理の検討を進めた。血管の自動抽出処理について、従来のフィルタベースの処理に変えて、新たにパッチベースの深層学習による手法を開発した。研究用に公開されているDRIVEデータベースに適用したところ、処理時に設定すべきパラメタ数を減らしつつ、従来手法と同等の結果を得た。また、動静脈の自動分類についても深層学習による判別処理の開発を進めている。高血圧性変化の研究用データベースであるINSPIREに適用したところ、従来手法のほうが高性能であり、深層学習の有意な点、不利な点の知見を得た。 つぎに、網膜動脈硬化性変化を解析するために、動静脈が交差する部位における静脈口径を計測する処理の改良に取り組んだ。従来手法では、眼底画像上で動脈が不鮮明であると解析できない課題を残していた。従来は全自動処理であったが、検討の結果、半自動処理に切り替えて、手作業を補正する処理を加えたところ、従来は解析できなかった症例に対応可能になった。 最後に、病変の自動検出処理として、最も視認性の低い毛細血管瘤を検出の対処として研究を進めた。従来は、フィルタ処理によって病変を強調し、閾値処理によって病変を自動検出する手法であった。本年度は、この強調画像を入力とした新たな深層学習の手法を新たに開発した。海外の糖尿病網膜症の公開データベースDIARETDB1に開発した処理を適用したところ、従来手法を上回る成果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例収集が遅れ気味であるが、昨年度に時系列眼底画像のレジストレーション処理を開発し、本年度に病変の自動検出処理を改良したことにより、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
症例収集が遅れがちであるため、海外で研究向けに公開されているデータベースを積極的に活用することで対応する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年度に投稿した論文の掲載費を計画したが、2018年度の掲載となったため、次年度に執行する
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