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2018 年度 実施状況報告書

癌性腹水症に対する腹水精製ディバイスの作成と携行式連続腹水精製灌流法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16K01425
研究機関藤田医科大学

研究代表者

大橋 篤  藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (30310585)

研究分担者 中井 滋  藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (20345896)
長谷川 みどり  藤田医科大学, 医学部, 教授 (40298518)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード腹水濃縮再静注療法 / 炎症性サイトカイン / 還元型アルブミン / 吸着療法
研究実績の概要

卵巣癌など悪性腹水のCART症例は腹膜炎や癌の浸潤による酸化ストレスで腹水中の還元型アルブミンが消耗し酸化型アルブミン優位であった。そこで、H28年度に特許出願したアルブミン製剤にLシステインを加え透析し還元型アルブミンを高率に維持する方法をCARTに応用し、悪性腹水の還元型アルブミンの割合を高められる事を第39回日本アフェレシス学会(岡山)で発表した。また、Therapeutic Apheresis and Dialysis(A method for stabilizing the proportion of the reduced form of albumin during cell-free and concentrated ascites reinfusion therapy in patients with malignant ascites)へ投稿しaccept された。
さらに、悪性腹水でCARTを施行した患者の腹水はサイトカインのIL-6とTNF-αが著高しており、腹腔内の癌細胞や白血球の活性化が高まっていると推測された。したがってCARTにおいて腹水の精製工程で炎症性サイトカインが濃縮され、患者に再静注する際、炎症反応を誘発するリスクがある。そこで、性腹水をヘキサデシル基吸着体へ添加しIL-6が吸着できる事を明らかにしたため、その成績をまとめ、欧文誌投稿の準備中である。平成30年度はCARTの際、悪性腹水の蛋白質の質を安全で高品質に精製する方法として、従来の腹水濃縮工程にヘキサデシル基吸着ディバイスをオンラインで接続するシステムとしたが圧力損失が高く電動ポンプ駆動とせざるを得なかった。そこで、本体を携行可能にするため、少ない回路容量で安全性と実用性を兼ね備え且つ駆動方を圧力制御とする腹水精製システム開発に着手することとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

CART症例の腹水中のアルブミンの還元型の割合た高め且つ安定化させる方法を確立し特許出願した。またCART腹水中の炎症性サイトカイン吸着除去法を模索したところ血液浄化用吸着ディバイスで腹水中のIL-6を除去できる事を確認た。さらに、その効果を細胞へレベルで検証するため、ヒト肝癌細胞HepG2株を用いた添加実験を試み急性相反応蛋白SAAの発現抑制効果を確認した。また、最終年度は携行型腹水濾過器に吸着体を組み込んだ灌流システムを作成したが回路容量が多く且つ回路内圧力損失が高いため電動ポンプ駆動に留まった。そこで、研究期間を1年間延長し電動駆動から圧力駆動とするシステムシステム開発に着手することとした。

今後の研究の推進方策

研究期間を1年間延長したため、H30年度の残額を用いて、CARTにおける悪性腹水の更なる品質向上を目的として、ヘキサデシル基吸着体をCARTに応用し炎症性サイトカインを除去し再静注後の炎症反応抑制に寄与する成績をInternational society for apheresis(Kyoto 2019)で発表し且つ欧文Therapeutic Apheresis and Dialysisへ投稿するため資金として活用する。また、最終目標に掲げた、腹水濾過濃縮装置に本吸着体を組み込んだ携行式のディバイスの最良の腹水精製条件を確立させ可能であれば実用化に向け特許出願を試みる。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた腹水精製ディバイスの仕様を変更するため、新システムの検討に資金を残した。また、悪性腹水中の炎症性サイトカインを除去し再静注後の炎症反応抑制に寄与する成績をInternational society for apheresis(Kyoto 2019)で発表し且つ欧文Therapeutic Apheresis and Dialysisへ投稿するための資金として活用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 悪性腹水症患者の腹水中アルブミンの酸化/還元状態と還元型を高率かつ安定化させる試み2018

    • 著者名/発表者名
      大橋篤、中井滋、山田幸恵、加藤政雄、長谷川みどり
    • 学会等名
      第39回日本アフェレシス学会(岡山)

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公開日: 2019-12-27  

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