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2017 年度 実施状況報告書

人工心肺における連続血液粘度モニタリングシステム:推定アルゴリズム提案と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 16K01429
研究機関純真学園大学

研究代表者

岡原 重幸  純真学園大学, 医療工学科, 講師 (50771185)

研究分担者 辻 敏夫  広島大学, 工学研究科, 教授 (90179995)
曽 智  広島大学, 工学研究科, 助教 (80724351)
末田 泰二郎  広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (10162835)
伊藤 英史  純真学園大学, 医療工学科, 教授 (50711462)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード人工心肺 / 血液粘度 / 人工肺
研究実績の概要

人工心肺中の血液粘度は,温度,ヘマトクリットレベル,血液pHなどの非生理的な変化,不十分な抗凝固,機械的なストレスなどによって影響されることは知られている.しかしながら,これまで,簡易的で,非接触で連続的に血液粘度を測定する技術は存在せず,臨床では血液粘度が人工心肺に及ぼす影響は調べられていない.本研究では,人工肺の圧力流量特性に着目して,新たな血液粘度モニタリング法を提案し,人工心肺中の血液粘度と神経学的合併症,人工肺の閉塞などの合併症の関連性を解明する.平成29年度の研究成果を以下に示す.
(1)平成28年度内に提案したアルゴリズムより,人工肺の圧と流量を入力値とする連続血液粘度モニタリングシステムを開発し,人工心肺装置との通信プログラムを作成した.
(2)広島大学倫理委員会の承認のもと,人工心肺を用いる軽度低体温心臓手術の臨床症例に適用した.実臨床で得られたデータでは突発的な圧変化や流量変化により粘度データへのノイズ混入が確認されるなど課題を得た.臨床症例で得られたデータに基づいて,圧及び流量の入力時間およびウインドウ幅の解析を行い,4秒ごとの入力および演算がノイズを軽減する結果を得て,システムのプログラムを変更し,ロバストネスを改善させた.
(3)改善したシステムにて,再度,人工心肺を用いる軽度低体温心臓手術および中度低体温心臓手術の臨床症例に適用し,データを蓄積しているところである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

提案アルゴリズムより連続血液粘度モニタリングシステムの開発し,臨床用として使用可能な水準まで改善も行えた.正常範囲内の粘度値においては,従来法の粘度計と比較して,十分な精度であることも確認できた.

今後の研究の推進方策

・血液粘度モニタリングシステムにおける異常粘度状態の評価
これまで,正常な粘度範囲におけるシステムの精度は確認できているが,異常な粘度値を引き起こす血球変形能異常や,血液凝固におけるシステムの有効性を確認できていない.ウシ血を使用してin vitroにて血球変形能異常モデルを作成し,実験を行ない,この状態の粘度の検出感度を評価し,人工肺の安全モニタとしての臨床応用の実現性を検討する.

次年度使用額が生じた理由

人工肺を使用した実験が必要になったが,今年度,計画回数できなかったため,次年度に人工肺を購入し行う予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Continuous Blood Viscosity Monitoring System for Cardiopulmonary Bypass Applications2017

    • 著者名/発表者名
      Okahara Shigeyuki、Soh Zu、Miyamoto Satoshi、Takahashi Hidenobu、Takahashi Shinya、Sueda Taijiro、Tsuji Toshio
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Biomedical Engineering

      巻: 64 ページ: 1503~1512

    • DOI

      10.1109/TBME.2016.2610968

    • 査読あり

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公開日: 2018-12-17  

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